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《番外編》そうだ、京都へ行こう。⑧にしおりをはさみました!
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《番外編》そうだ、京都へ行こう。⑧
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***
「え?広翼来てないの?」
清水寺に入る前のところで僕たちがいないことに気づいたクラスのみんなは待っていてくれたが、そこに広翼の姿はなかった。
(もしかして広翼さっきの所で僕のこと待ってるのかな…。)
どうしましょうと慌てる先生に声をかけて、止められているにも関わらず僕はさっき団子を買ったところまで足を走らせた。
「広翼〜〜!どこにいるのー??」
声を張り上げて広翼を探すが、狭い路地にこの人の多さだと僕の声もかき消されてしまう。
しかも広翼は身長も小さくて、この辺にいたとしても人に埋もれていて見つけられない。
何処かで泣いていたらどうしよう。
誰かに攫われていたらどうしよう。
僕のせいだ。僕が広翼を置いて団子なんか買いに行ったから…。
途方に暮れてしゃがみこむと、一人のおばあさんが声をかけてきた。
「坊やも迷子かい?さっきもね、坊やと年は違うかもしれないけど迷子の男の子がいてねぇ。一緒に待ちましょうか」
「え、その子何か言ってましたか?」
「うーん…。ずーっと泣いててねぇ。可愛らしい子なんだけど…。たしか、れーくんって男の子とはぐれたって」
「その子のとこ連れて行ってください!!!」
僕はおばあさんの手を握って必死にお願いすると、おばあさんはコクコクと頷いて早足気味に僕を団子屋の近くの立派な日本家屋へ連れて行ってくれた。
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