アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか？
戦利品にしおりをはさみました!
- 文字サイズ：
- 行間：
- 背景色：
- しおりがはさまれています
-
戦利品
-
俺は、その後、頭に男と奪った装飾品を手渡して、頭からどうやら俺が、天蓋で殺した男が王だったということを聞いた。
王殺しか……。
この国での大罪。
王の死の情報はは大陸を駆け巡り、国中の軍人たちが“王殺し”を探しているらしい。
まあ、こんな国をつくりあげた男だ殺されて当然だ。大罪を負ったといっても後悔もなかった。
王の亡き後、王弟が時期王候補となっているらしい。
即位式は一年の喪が必要である。一年後の即位式までに、俺達の再度政府を潰すための作戦を練らなくてはならない。
それなのに、頭のケイルや、その他の幹部たちは俺の持ってきた淫売に夢中になっているらしく、毎晩狂乱の宴を楽しんでるらしい。
中枢にいる奴らだけしかその実態はわからないらしいが、頭たちのバラックから毎晩あられもない男の声が響いてきているのは確かのようだ。
そんな時期じゃ……ねえだろ。というのが、俺の気持ちだ。下っ端の意見など通る筈もなかったが。
ただ、俺は頭のケイルを尊敬していたし憧れてもいた。そんな安っぽいことに夢中になって、本来の目的を忘れるような男だとは思いたくなかったのだ。
『………おか…してくれ……』
あの夜懇願した男の切羽詰ったような顔が思い浮かぶ。
綺麗で妖艶な男だった。
あれで女なら、俺も喜んで据え膳を食っただろうが。
「ルイツ、かしらが呼んでるぜ」
ごろごろと不貞腐れて、自分の布団の中でねっころがっていた俺を、一緒に入団したハイムが肩を叩いて揺する。
ハイムの赤毛に無精髭を生やした、がっちりとした男前の顔を眺めて、俺は幾分気だるそうに体を起した。
「かしら、あの男に夢中なんじゃねーの？」
「しらねーよ。必死な顔してたからさァ、正直どうなのかと思ったけど」
ハイムは、首を傾げて幹部たちのバラックを見やり、心配そうな表情を浮かべて俺を見た。
情に厚い信用できる仲間だと、俺は思っている。
「アニキたち、楽しんでるって感じじゃねえンだよな。アイツ、何者だ」
小さい声で呟き俺の顔を見返して、答えをさぐろうとする。
「知るかよ」
俺は枕元に置いてあった剣を掴んで、立ち上がりハイムの横を抜けて自分のバラックを出る。
正直、あの男がどうなろうと俺の知ったことじゃねえ。
淫売など、触れたくもない。
少し遠慮がちに幹部たちのバラックへ入れば、男の淫らなあえぎ声が隠すこともなく聞こえてくる。
……俺も仲間に入れてやろうってか。
戦利品の味見でもさせてやろうってか。
何考えてンだよ。かしら。そんな、ちっせえ奴じゃあなかっただろ？
「ルイツ、悪いな…」
俺にすぐに気づいたケイルは、半裸の格好で脇に剣だけぶらさげてゆっくりと近づいてくる。
蒼白な表情で、焦りが見え隠れしている。
とても行為に没頭しているような余裕のある顔ではなかった。
「お願いだ。彼を助けてやってくれ。俺たちじゃ……彼を救えなかった」
周りを囲む幹部たちは、一様に同じような悲壮を漂わせた表情で俺を見つめた。
……助ける？
どういう……ことだ？
頭の口から紡がれる奇妙な言葉の意味がわからず、俺は立ち尽くし、バラックの奥で幹部の男に組み敷かれた美しい男を眺めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 30
