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信用 7にしおりをはさみました!
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信用 7
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いつの日かと同じようにはちみつレモンを淹れ、ソファーに座る澄和の前に置く。
「ありがとうございます。
…初めて蓮見さんのお家にお邪魔した時みたい」
ふふっと穏やかに笑う澄和。
だいぶ落ち着いたらしく、ほっと安堵した。
でも改めて明るいところで顔を見ると。
「澄和……すごく痩せた。それに顔色も悪い」
元々華奢だった身体は更に痩せて、その儚さに拍車をかけていた。
「無理に話さなくても。…先に眠る?」
「いえ…!大丈夫、です」
自分からもっと頼れと言ったのに、いざ苦しそうにする澄和を目の前にするとこれ以上辛そうな澄和を見たくなくて、俺もたいがい自分勝手だなと自嘲した。
「あの。………お願いだから、嫌いにならないで…」
「当たり前だろ」
声がだんだん震えていって言い切ったと同時に一粒だけ涙を流した澄和の頭を撫でた。
「…っ電車で。なんか、いっぱい触られて」
「…」
「何も感じてないのに、知らない男に触られたって平気なはずなのに!」
大体のことは分かったからもう言わなくていい、と背中をさするのを無視して澄和は言葉を続けた。
「…昔のこと、聞いてくれますか。全部。
千景さんとのことも。
俺のこと、全部」
何かを覚悟したように声と表情を強張らせながら。
澄和はぽつりぽつりと、話し出した。
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