アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
31にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
31
-
「お前はこんな簡単なこともこなせないのか。帰る道中に店によるだけだぞ、なぜ出来ない?」
「ねぇどうするのあの子のケーキ。もう食べる気満々よ?」
「すまない南那」
南那(なな)とは再婚相手の女の名前
南那さんは俺に直接的な暴力は振るわないが俺がプラスになることはしない
「お前の手料理で我慢するように言ってくれるか?また今度ホールでケーキ買ってくるからって」
そう言って南那さんの頭を撫でる
南那さんはコクリと頷くと俺を見据える
「あーあ、瑠璃君可哀想。ケーキ買ってこれなかったせいでまた傷が増えるね」
そう言って奥へ戻っていった
既に叩かれた頬はジンジンと痛みを増している
南那さんが喋っている間俺のことをずっと睨んでいた父は南那さんが奥に戻ると傘立てに差していた木製バットを手に取った
こっちに来いと引っ張られ家の裏庭にある小屋に連れ込まれる
小さな灯りを付ける
「―あ、いやだっ」
一言も言葉を発さずに父はバットを振りかぶる
まず痛みを感じたのは足だった
バットが当たる瞬間に目を瞑りバキッという音だけが耳に届く
「ゔぁ…っい゙った、い…っ」
表現出来ないほどの痛みが右足を貫く
体制を崩し後ろに倒れ込む
殴られた右足を両手で抱えうずくまる
「お前みたいな使えない役立たずいらねぇんだよ」
痛みに悶えているとまたバットによる打撃が降りかかる
手に足に腹に
あらゆる箇所に痣を付けていく
でも頭は絶対に狙わない。
それが最大の情け
父の気が済んだ頃には俺はフラフラで立てなくなっていた
「もう立てねぇか?今日はここで一晩明かせ」
そう言った父の声が耳鳴りのせいで聞こえにくい
なんでこんな目に会うんだろう…
先生、助け…て…っ
俺…なにかした?
たった1回義弟のケーキ買い忘れた、だけ…
それだけで…っ
父が去った小屋
静かで物音一つしない
そんな中、1人痛みを堪えて涙を流した
多分いろんな箇所から血が出ているのだろう
全身がドクドクと脈打ち血が流れる感覚がする
明日大学行けるかな…
そんなことを考えたところで耳鳴りが支配する頭の中が真っ暗になった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 56