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トライアングル -5-にしおりをはさみました!
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トライアングル -5-
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お仕置き、と言った興本は、そのまま俺の家へ一緒に帰った。
珍しく両親が揃っているその日に4人で夜ご飯を食い、自然な流れで泊まることになった。
両親が家にいるというだけで嫌な予感しかしなかった。
興本の好物だというポテトサラダも出てきて、両親は完全に興本を歓迎している。
「相変わらず仲良くしてくれているんだね」
興本と久しぶりに会う父さんは嬉しそうに破顔しているし、母さんは言わずもがなだ。
「この前も泊りに来てくれてたのよ~」
四人で食卓を囲むのはどこか歯がゆく感じる。
余計なことを言ってくれるな、と両親に対しても興本に対しても思う。
「おじさんもおばさんも相変わらず仲良いですよね」
興本も余所行きの笑顔で受け答えしていて、まるで別人のようだ。
別に……羨ましくなんかないけどさ…。
ああ、でも本当に、嫌な予感しかしない。
和やかな食事を終え、俺と興本は風呂に入ることになった。
そう——俺″と″興本が一緒に入るのだ。
母さんがいつものように「お風呂沸いたから入りなさい」と促し、「じゃあ入るか」と興本がさも当然の様に俺の腕を掴んだ。
父さんもにこやかに俺たちを見届けていて俺だけが異様だった。
「男3人で入るかー」と父さんが言えば「狭いから無理よ~」と母さんが笑う。
「じゃあ俺たちお先に入ります」と興本が俺を連れてリビングを出た。
あまりにもスムーズな流れに俺だけが置いていかれていた。
脱衣所で軽くキスをしてきた興本は悪戯が成功した子供の様に笑った。
「あまり大きな声は出すなよ」
声を出させるようなことをする気か、と鼓動が速くなった。
湯船に浸かる興本の膝の上に座らされた俺は、声を出すことはなかった。
けれど漏れる吐息さえ飲みこまれるほどに口を覆われて少し息苦しい。
風呂に入った興本はずっとキスを止めなかった。
濡れた両手で俺の頭から尻までを優しく撫でながら、興本は唇を離さなかった。
蕩けるような甘いキスに俺は興本にしがみ付くほかない。
もっと激しい、欲望だけをぶつけるだけの行為を予想していた俺は、なんだかわけが分からないまま翻弄されている。
なんでこうなったんだっけ。
そもそもどうして興本が俺んちの風呂にいるんだっけ。
目を閉じれば舌先だけの感覚が全てになって、そんな疑問も吹っ飛んでいく。
「ん…ふ…ぁ…」
舌を吸われて声が漏れた。思いのほか甘ったるい自分の吐息に心臓が激しく鳴った。
キスばかりに意識を取られていたが、興本の手は俺の尻を揉んでいる。
大きくも柔らかくもない男の尻を興本の手が厭らしく動かすから、俺の腰も期待して揺らいでしまう。
尻の下で興本のモノが硬くなっていることに気付くが、俺から誘うようなことはしない。
ただ俺は、興本の首に腕を回してキスを強請った。
逆上せそうなほど頭がくらくらとする。
「気持ちいいか?」
口が離れて唾液が垂れる。
興本の問いにコク、と頷いて答えた。
興本は目だけで笑い、顎に垂れた唾液を指の腹で拭った。
その指を下へとずらし、胸の突起を撫でた。くすぐったくて俺の体はびくびくと震えた。
「お仕置き、覚えてるだろ」
「う…。痛いこと、するの…?」
覚えているから、改めて口にされると怖くなる。
さっきまでのとろとろに甘い余韻が、すっと引いて冷めていく感じがたまらなく怖い。
「痛いことが良いの?」
おかしそうに笑う興本に、俺はふるふると首を横に振った。痛いのは嫌だから聞いたのに、逆効果になるなら聞かなければよかったと後悔する。
「俺も別に、痛がる様子見て興奮する趣味はないから」
それは暗に痛覚には訴えないお仕置きだということだと分かり、ほっと肩の力を抜いた。
「ただ、悶えている井瀬は可愛いと思うんだよね」
「へ…?」
俺が興本の言葉を理解する前に、興本の楽しそうな顔が近づいたかと思うと、ちゅっと触れるだけのキスをされた。
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