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18歳以上ですか?
11にしおりをはさみました!
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他の掃除を無心で全て終えた頃にはすでに九時を過ぎていて、俺の今日の仕事はもうない。
とりあえず自分の部屋に戻れば、鳴上がデスクでなにやらパソコンと向かい合っていた。俺が入って来たことに気づいた鳴上は立ち上がり俺の顔を見て怪訝な顔をする。
「お疲れ様です、修弥様。......顔色が優れないご様子ですが、どうかいたしましたか?」
「あー......まあ、ちょっと気分悪い」
俺がそう言えば、鳴上は血相を変えて「医者を呼んでまいります」と部屋から出て行こうとする。
過保護すぎだとは思うが、俺は滅多に体調が悪いと言わないから心配になったのだろう。そんな鳴上を俺は慌てて引き止める。
「いやっ、大したことないから大丈夫だ」
だだ賢斗に会いたくないだけで本当に体調が悪いわけじゃないから、医者なんか呼ばれても困る。
そんな俺の様子にそれほど重大でないと納得したのか、鳴上はドアの方へ向けていたつま先を俺の方向へ戻した。
「......さようですか。では、今夜は私が賢斗様にお茶をお持ちいたしますので、ゆっくりとお休みになってください」
「ああ。ありがとう」
俺が礼を言ったことがそんなに珍しいのか目を丸くする鳴上。普段の俺なら「バカにしてんのかお前!」って怒鳴るところだが、そんな余裕もなく俺はすぐベッドに横になった。
......今日のことは忘れよう。
賢斗は俺のことをバカにしてるんだから、AVと一緒に俺の写真があったのはただの偶然だ。そう偶然。
明日からはまたしっかり仕事をこなして早く一ノ瀬の家に帰るんだ。
俺はそう思いながら眠くもない目を必死に閉じた。
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