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「良い部屋見つかって良かったな!」
「はい」
決めた部屋は1LDKとなった。
いつも一緒だったから、寝室は一緒で構わないし、たとえ仕事を持ち帰ったとしても相手が鳴上なら集中できる。
「意外でした」
帰りの車の中で、鳴上がぽつりと言った。
「何が?」
素直に疑問に思ったことを口にすれば、鳴上は再び口を開く。
「家賃も、部屋の大きさも、修弥様にしては控えめな方かと」
「あー......」
確かに生まれた時から贅沢して来た俺が、いわゆる庶民の常識を知っていたら驚くのも無理ない。
けどこれは.......鳴上に言うことじゃないよな。
「だって、部屋なんて大きくなくても良いだろ。お前と居られればそれで良い」
これは本心だ。
本心だけど、違う。
俺が部屋に詳しかったのは、6年前にたくさん調べたからだ。
駆け落ちもどきのことをするんだから、部屋を借りる必要があるだろうと、様々なサイトを調べた。
......まあ、必要なかったけどな。
「それに新入社員だからな。いくら会社の給料が良いって言っても、今まで通りにはいかないだろ」
「......そうですね」
悟られないようにと話す俺に、鳴上が何か勘付いたかは分からない。
けど、鳴上は深くは追求してこなかった。
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