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冬の女の子・・・・2にしおりをはさみました!
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冬の女の子・・・・2
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2
隣の男の人は、まだ若いのかもしれないけどとても落ち着いた大人の男の人だった。
黒いジャケットの下はラフなグレーのVネックのセーター。がっしりとした手首に高そうな時計。
車の窓越しにはギリギリボクのお父さんに見えるかもしれないけど、下衆に勘ぐればどうみてもパパと援交娘だ。娘どころか息子だけど。そして実際、これは援交だった。
ボクが女の子の服を着るのは家の中だけだったけど、いつかは街を歩いてみたいと思っていた。
小さい時、ママといった夢の国の写真館で、プリンセスのドレスを着て写真を撮ったことがあった。あの時は、ボクを見て笑ってる子もいた。でも、ママもボクも最高にしあわせだった。
小さいボクは大きくなったらプリンセスみたいなかわいい女の子になれると思っていた。
だけど成長するにつれ、体は大きくなり、顔も男らしく細長くなってきた。小学校を卒業するときはクラスで一番背が高かったし、なぜかスポーツもできて、女の子に人気の健康的な男の子に成長してしまった。
ボクが近所のお兄ちゃんをはじめ、誘ってくる男の人のおちんぽをしゃぶったりしゃぶられたりばかりしてたのは、男になりたくなかったからなんじゃないかと思う。
どうみたって、女の子じゃないボクに、ママは女の子の服を着せまゆと呼んでかわいいかわいいと言ってくれた。
そのママがもういない。高校生になったボクは、ますます背が伸び、声も低くなった。
それで、彼氏と別れた6月のある日曜日、ボクは街に出ることにした。
女の子の格好で歩いてみることにした。
何を着ればいいのかすごく迷ってしまったんだけど、今にも泣き出しそうな雨曇りの日だったので、ボクったら、ママのお古の70年代風ミニワンピにピンクのレインコート、オレンジ色の傘を持って白いレインブーツで出かけてったのだった。それはとてもママらしいコーディネイトだった。そして、ボクの体型をうまくカバーするコーディネイト。だけど大失敗だ。
服だけでも目立つんだもの。ボクは大注目の的だった。
オシャレに運河沿いの汽車道を歩いて赤レンガまで行くつもりだったのに、すぐに家に引き返した。雨が降ってきてくれたので、傘に隠れた。
以来、なるべく普通の女の子っぽいお洋服をネットオークションや通販サイトで揃えた。ボクのサイズの女性靴も高かったけどちゃんと買えた。
でも結局15歳のボクには人前に出れるほどに女の子の服を着こなすことはできず、なんとか様になったのが制服コーデにマフラーだったというわけだ。
11月、ボクの身長は175センチになっていた。
赤レンガまでリベンジしてで、少し自信がついた。毎週末、原宿や渋谷をただただ歩いた。
一人っきりだったけど、毎週末ボクは幸せだった。
そしてボクは、インターネットによって女の子の格好をした男の子が好きな男の人たちと出会う方法を知った。
女の子じゃなくて、女の子の格好をした男の子とセックスしたい男の人たち。
「こういうの初めてなんだよね?緊張してる?」
「大丈夫です……」
男の人は、森さんといった。
ボクの脚、気に入ってくれたみたいで、太ももをさすってきた。
「綺麗な脚だね」
「えへへ」
「真っ白ですべすべだ」
15歳のボクはまだ体毛もヒゲもうすかった。(まさかこの数年後、身体中の毛に死にたくなるとは思っていなかった)
「すごくかわいい子でビックリしたよ」
男の人にそう言われて、じんわりと胸が温かくなった。お腹の奥がじんじんと痺れた。
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