アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
18にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
18
-
「それが‥永久の答え?」
「‥‥ん」
涙は流さないと決めた。
もう彼に涙は見せないと決めた。
「今日まで‥ね。随分急だな」
「ごめん」
「永久‥もう一回。俺の目見て言って?」
「‥」
目を見て‥言える訳が無い
今だって涙を堪える事に馬鹿みたいに必死になってる
「永久」
「‥」
名前を呼ばないで。
もう愛おしむ気持ちを込めて‥俺の名前を呼ばないで。
「‥永久」
「っ」
伸びてきた手が俺を包み込み強く抱き締める。
「俺から離れるの?」
「‥」
「俺の名前‥もう呼んでくれないの?」
「っ‥」
絞り出されるような悲しげな声が耳元で静かに響く
それが脳内を掻き回し‥
もう限界だった
ごめん。これで最後だから‥
「稔さん‥」
「永久」
決めたのに‥
泣かないと決めたのに。
俺の意思とは関係なく大粒の涙が零れ落ち止まらない。それを止める方法を俺は知らないんだ。
「稔さんっ」
「‥泣くな永久」
「ごめ‥なさっ」
「永久」
「っみの‥稔さっ」
「分かったから‥泣くな、永久」
頬に両手を添えて止まらない涙を何度も拭ってくれる。何度も何度も涙を拭いながら何度も何度も唇づけが落ちてくる。
「っ‥ん、稔さっ」
「泣かなくていい。もう悲しまなくて‥いいから」
瞼に
頬に
唇に
俺の涙で濡れた稔さんの唇は冷たくなっていく。
稔さんの優しさが‥俺の中にもう入って来ないような気がした。
「も‥いいからっ」
「永久?」
「も‥俺に‥くれなくていい」
「‥永久、もう喋るな」
「もうっ‥いいからっ」
「黙ってろ」
「んっ」
引き寄せられたら体と繋がる唇
絡まる舌は涙の味がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 69