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〜琉side〜
8月15日 9時
「疲れた…」
家の前に着き、思わず漏れた言葉。
まさか朝に帰宅することになるとは思っておらず、恋は起きているだろうか、と考える。
静かに扉を開け、迷わず2階に向かう。
部屋の扉を開けると、そこに恋の姿はなかった。
「朝からどっか出かけてんの…?」
不思議に思いつつも着替えを持って1階に降り、荷物をとりあえず洗面所に押し込んで、リビングに入る。
「ここで寝てんのかよ。」
そこにいたのはスヤスヤと眠る恋。
ソファの上でクッションを抱きしめながら寝ている。
この感じだと昨晩から寝ているのだろう。
「風邪ひくだろうが…」
そう思って恋を部屋に運ぼうと近寄る。
その頬にはうっすらと涙の跡がある。
「泣いたのか…」
恋はたまに、寝ている時に泣く。
それは起きている時にはなかなか見せてくれない表情だ。
寂しい、悲しい、辛い
そういった感情は、恋はなかなか表現してくれない。
嬉しいことや楽しいことは笑顔で伝えてくれる。
でも泣くことはほとんどないのだ。
そんな恋が泣いたということは、何かあったのだろうか。
それとも、また事故の夢でも見たのだろうか。
琉はソファの近くにしゃがむ。
「んぅ…りゅ…さん…」
夢でも見ているのか、恋は琉の名前を呼んで、へらっ、と笑った。
「泣いたり笑ったり忙しいな。」
琉はそう呟きながら笑う。
頭をそっと撫でてやれば、クッションを抱きしめる力が強まった。
恋は甘えたい時はぎゅっと何かを掴む癖がある。
夢の中の自分に甘えているのかと思えば、頬が緩んだ。
「さて。」
琉は立ち上がると恋を抱き上げ、2階のベットへと運ぶ。
そして自分はシャワーを浴びるためにもう一度1階に降りてきた。
浴室に入り、珍しく湯が抜かれておらず、換気扇も回っていないことに驚きつつ、シャワーをひねった。
まさか、恋が昨晩ここで、自慰行為をしていたなど、琉は知る由もないのであった。
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〜恋side〜
「ん…」
恋が目を覚まし、まず目に入ったのはウサギのぬいぐるみだった。
(あれ…昨日…俺ソファで…)
ソファに座ってからの記憶がどうもない。
おそらくそこで寝てしまったのだろうが、だとしたらなぜ自分はここ、寝室にいるのだろうか?
「…あ…!!」
恋は慌ててベッドから飛び降り、階段を降りる。
そしてリビングの扉を開けた。
「ん、おはよう、恋。」
そこには会いたくて仕方なかった、愛しい恋人の姿。
「おかえりなさいっ!」
思わず抱きついてしまった。
普段ならこんなことしないし、むしろ疲れている琉を休ませるようなことを考える。
だが今日の恋は、どうもまだ頭が働いていないらしい。
「どうした?」
「ん…」
飛び込んだ琉の胸に自分の頬をスリスリと摺り寄せる。
「寂しかった?」
そう聞かれて、控えめに頷く。
1人ぼっちになった夢の中で、温かい手を差し伸べてくれたのが琉だった。
そんな夢を見た後だからか、なおさら寂しさが浮き彫りになっていた。
「よしよし。」
ぽんぽん、と優しく頭を撫でられ、それが心地よかった。
「んー…いい匂いしますね。お風呂入りました?」
「うん、シャワー浴びた。そういえば換気扇も回ってなかったし、湯も張りっぱなしだったけど、昨日なんかあった?」
「へ?なにも…」
ない、と言いかけて頭をよぎったのは昨晩の自慰行為だ。
急速に顔に熱が集まった感じがして、俯く。
「恋?」
「な、なんもないです!!」
「ふーん?」
琉は不審には思ったようだが、特に追求してくることはしなかった。
…が。
「え、ちょ、え?」
「3日我慢した。ご褒美ちょうだい。」
即座にベットに戻され、服をまくられる。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!琉さん疲れてるんだから寝たほうがっ…」
「やだ、恋が欲しい。」
「な、なんでこんなに元気なんですかっ!」
「ん、恋で抜いてたけど本物はやっぱ違うじゃん。」
さりげなく爆弾を投下しまくる琉に、さらに顔を赤く染めた恋であった。
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