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*31
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〜琉side〜
「何味?」
道を歩きながらかき氷の話をする。
「琉さんの好きなやつ…」
「恋が食べたいのでいいよ。」
「…いちご。」
まだ琉の浴衣の袖を掴み、鼻をすんすんとしている恋。
つい先ほど、半分こしたいと言ってきたのが、あまりに可愛くて思わずため息をついてしまった琉だが、今も理性と戦うのに必死だ。
浴衣の恋はどうも色気が増す。
「紘さん、他にも色々買って、早いですけどあそこ行きますか?」
「そうだな…手分けして買い出しするか。焼きそばは俺と千秋で買ってくるよ。」
「じゃあ俺と明希ちゃんでジャガバター買ってきまーす。」
「…俺たちは?」
「…甘いもの。」
琉の言葉に反応したのは恋だった。
「え?」
「みんなで食べようって…りんご飴…」
(甘いもの本当好きだな…)
琉はクスリと笑って恋の頭を撫でた。
「りょーかい。」
「神社の近くにかき氷の屋台あるから、そこでみんなで集まって、かき氷買ってからいきましょー!」
明希が楽しそうにそう言う。
「お、いいね。」
「じゃあ後でそこでな。」
「はいよ。」
三手に分かれてそれぞれ買い出しをする。
買い出し中、恋の目がずっとりんご飴に向いていたのが可愛くて、琉はずっと笑いを堪えていた。
「お、もうみんないるな。お待たせ。」
琉と恋が着いたのが1番最後だった。
「いえいえー。じゃあかき氷買って行きますか?」
「今思ったけど、かき氷は溶けるだろ?後にしたら?」
「確かに…」
紘の言葉に、明希が真剣に考え込む。
「じゃあ行くか。」
神社の裏に6人で向かい、適当なところに腰を下ろす。
なんだかんだで時間は18時半だった。
「まだ花火まで時間あるし、ご飯食べてるか。」
紘がそう言って焼きそばを取り出す。
「焼きそば…」
「恋って焼きそば好きだっけ?」
焼きそばを見て目を輝かせた恋に、琉がそう聞く。
「屋台の焼きそばが好きです。」
「そうだったんだ。」
3パックある焼きそばを2人ずつで食べる。
「ん。」
「へ?」
「?口開けろよ。」
「え…」
恋に焼きそばを食べさせようと琉は麺を持って恋の口に近づける。
「あーんだよ、あーん。」
恋は暗くてもわかるくらい顔を赤くして、視線を泳がせる。
「食わない?」
「た…べます…」
恋は恥ずかしがりながらも口を開け、琉の手から焼きそばを食べた。
「んふふ…恋が照れてる。」
「明希ちゃんもあーん。」
「…あ…あーん…」
「…明希も照れてるじゃん。あ、紘さん僕はそういうのいらないですよ。」
「いいじゃん、千秋もあーん。」
「…嫌です。」
「千秋もやれ。」
拒否する千秋に、恋がすぐそう言った。
「そーだよ。俺たちだけなんてダメ!」
「なにその理論。」
「ほらー。俺寂しいなぁ。」
「う……あ…ーん…」
結局千秋は紘に負けて口を開く。
「ふふ…千秋可愛い。」
「紘さん甘いわぁ。」
翔也がそう言ってニヤつく。
「甘い甘い。」
琉も笑いながらそう言った。
「最初に始めたのは誰だよ…」
紘が呆れながらそう言う。
琉と翔也が顔を見合わせて笑っていると、琉の浴衣の袖がクイクイ、と引かれて琉は振り返る。
「琉さん…もうひとくち…」
(…めちゃくちゃ可愛い…)
琉は悶えつつも恋に焼きそばを食べさせる。
恋は満足したようでニコニコとしている。
もう一度翔也たちの方に目をやれば、4人揃ってニヤニヤとしている。
「…おい。」
「琉変わったわぁ…」
「甘いのは誰なんだかぁ。」
翔也と紘は琉を見てそう言うとまたニヤニヤと笑う。
「恋可愛い。」
「今に始まったことじゃないけどね。」
明希と千秋は恋を見ながらニヤニヤしていた。
「はいはい。悔しかったらイチャついてみなさい。」
「りゅ、琉さん!」
恋は顔を真っ赤にして俯く。
「…え、なんか嫌な予感。」
「琉さんこっちに振るのはやめてくださいよ。」
明希と千秋がそう言ったがもう遅い。
「だってよ明希ちゃん!イチャつこー!」
「千秋、こっち。」
「い、嫌ですって!!」
「な、なんで膝…?」
わたわたと焦りだす明希と千秋を見て、琉と恋は顔を見合わせて笑った。
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