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*84
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〜恋side〜
「言っちゃった…どうしよ…」
電話を切ってから、ものすごい恥ずかしさに襲われた恋は、そう言って顔をクッションに埋めた。
「今から帰るって、翔也さん言ってたから、琉さんもきっと一緒だよね。」
「うん…やばい、めっちゃ恥ずかしい。」
「僕が言うのもあれだけど…恋、ものすごく可愛かった。」
「え…」
「うんうん!俺も思ったー!」
「面倒くさいって思われてないかな…?」
「琉さんがそれはないでしょ。」
恋の不安を即答で否定した明希。
「そっか…うん…ならいい…」
それを聞いて、恋はふわっと笑った。
「恋…ほんと可愛い。」
千秋はそれを見てそう言う。
そんなとき、インターフォンがなった。
「あ…紘さんかもよ?琉さんたち、さすがにまだつかないだろうし。」
恋はそう言うと立ち上がり玄関に向かう。
「あ…やっぱり。千秋ー。」
扉を開けると、そこにいたのは案の定、紘だった。
「あ…おかえりなさい…」
千秋はリビングからチラッと顔を出して、紘を見るとふわふわとした柔らかい笑顔になった。
「うん、ただいま。琉たちまだなの?」
「はい。もう少しで帰ってくるって言ってました。」
「そっか。千秋、どうする?琉たちが帰ってくるまでいる?」
紘にそう聞かれ、千秋は首を横に振った。
「紘さんと帰る…」
千秋もやはり寂しかったらしく、そう言って紘の方にやってきた。
荷物も特にないので、そのまま帰るのだろう。
「千秋、またね。」
「またねー!」
リビングから来た明希にも見送られ、千秋と紘は帰って行った。
残った2人がリビングに戻り、空き缶を片付けたり、皿を下げたりしていると、再びインターフォンがなる。
恋と明希は顔を見合わせて2人で玄関に向かった。
扉を開けると、そこにいたのはやはり、琉と翔也だった。
恋と明希は、玄関に入ってきた琉と翔也にぎゅっと抱きついた。
「明希ちゃんお待たせ。」
「ただいま、恋。」
声を聞いて見上げた2人が、見事に上目遣いになっていて、琉と翔也はかなり悶えたのだが、2人はそれを知る由もない。
「恋、またね。」
「うん、また。」
翔也の指をそっと掴んで帰っていった明希に手を振り、扉を閉めると、恋はもう一度琉に抱きついた。
「ただいま。」
「ん…おかえりなさい…」
「どうしたんだよ、急に電話なんかして。心配したぞ?」
「ごめんなさい…寂しくて…」
お酒のおかげか、思ったことを素直に言えた。
「琉さん…いっしょに寝ましょ…?」
「ん、シャワー浴びてからな。恋お風呂は?」
「入ります。」
「先入っておいで。それでベットで待ってて。すぐ行くから。」
琉にそう言われて頷き、恋はできるだけ早く入浴をすませる。
ベットに入ると、また寂しくなってきて、ウサギのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
しばらくして、琉が入ってくる。
「お待たせ。もうだいぶ眠いだろ?」
琉はそう言って恋の頭を撫でる。
その手に安心して、急に眠気が襲ってきた。
「ん…りゅ…さん…ぎゅー…」
そう言って手を伸ばせば、琉は優しく微笑んでベットに入るとそっと抱きしめてくれた。
その温もりが心地よくて、恋はすぐに眠りについてしまった。
「ったく…ほんと、人前で酒禁止だな。」
1人、そう呟いた琉が、あまりに可愛らしい恋に、頬が緩みっぱなしだったのを、恋は知らないのであった。
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