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〜恋side〜
12時
「できたー!」
家にやってきた明希と千秋と一緒に昼ごはんを作り、ちょうどお昼時になった。
遥のことを考え、貧血対策のメニューにした。
食卓にはレバニラ炒め、ほうれん草のおひたしといった鉄分を多く摂れるおかずが並ぶ。
「すごい!恋くんたち、料理上手なんだね!」
「恋はうまいけど、俺と千秋は母さんに教わってるんですよ。」
「明希くんのお母さんに?」
「はい。」
「そうなんだぁ…でも手際も良かったし、普段も料理作ってるなぁって感じ。」
「そう言われると照れるな。」
明希はそう言って笑う。
「よし、みんな座って食べよう。」
恋がそう言い、4人で椅子に座る。
大勢で食べるときはソファの方にテーブルを出して床に座るのだが、4人ならキッチンのそばのテーブルと椅子で十分だ。
「「いただきます!」」
「…んーっ、おいしい!」
一口、口に運んで明希が微笑む。
「僕、レバニラ炒めって初めて食べた。」
「千秋くんって、食べたことないもの多そうだなぁ。」
遥はそう言ってクスクス笑う。
「僕はそんなに多くないですよ。紘さんの方が一般の家庭料理食べてなくて。この前までカレー食べたことなかったんです!」
「えええ!日本人はほとんどの人がカレー好きだし、嫌いな人も食べたことはあるだろうに…ものすごく珍しいね。」
他愛もない会話をしながら食事を済ませ、遥が洗い物をしてくれると言ったのを3人で断り、千秋と恋で片付けまで済ませて4人はソファの方に腰掛けた。
「あの、あの!」
そこで明希がキラキラした目を遥に向ける。
「ん?」
「お腹…触ってもいいですか?!」
「あはは!いいよ!何かと思った。」
笑って快諾してくれた遥のお腹に、明希がそっと手を伸ばす。
「わ…動いた!」
「すごいよね。動くとわかる。男でもわかるんだぁ、ってなんか感動しちゃったよ。」
「僕も触ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ!」
「俺も。」
千秋と恋も触らせてもらい、おお!とか、わぁ…とか言いながら遥のお腹をさするようにする。
「…あのさ、僕…やりたいこと、できた。」
千秋は少し前から、将来の目標について悩んでいたが、どうやらそれが決まったらしい。
「何したいの?」
恋がそう尋ねる。
「…保育士。」
「おお!いいじゃん!」
「これから養成の過程に入って、勉強したい。」
「応援する。がんばれ。」
「千秋が保育士さんかぁ…すごく似合う!」
「なんか素敵な話が聞けたよ。千秋くん頑張ってね。」
恋、明希、遥にそう言われ、千秋が顔を綻ばせる。
「紘さんにも報告したいんだけど…なかなか言い出せなくて。」
「紘さんきっと喜ぶぞ。」
「そうかな…?」
「恋の言う通りだよー!絶対喜んでくれる!心配しなくても大丈夫だよ!」
「じゃあ…言ってみる。」
「千秋くんが保育士さんになる頃には俺の子供がちょうど3歳とか4歳とかだから…面倒は見てもらえないなぁ。」
残念そうにそう言う遥に、恋と明希はニヤニヤした顔を向ける。
「もう一人作っちゃえばいいじゃないですか。」
「ええっ?!」
「そうですよ!2人目2人目!」
恋と明希にそう言われ、遥はあわあわとしている。
「ふふっ、僕も遥さんの2番目の子供の保育できたら嬉しいです。」
「も、もう!この話はおしまい!」
真っ赤になってしまった遥にそう言われ、恋たち3人はクスクスと笑いながらこの話を終えたのだった。
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