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〜恋side〜
一方その頃。
「あれ、貴也くん寝ちゃってない?」
「寝ちゃってますね。」
こちらも映画に集中していない映画鑑賞者。
いや、映画に集中すれば悲鳴を上げてしまうであろう2人。
貴也のデートがあまりに気になった恋と明希は、こっそりと2人の後をつけ、その様子を見守っていた。
待ち合わせてから映画館に至るまでのことを見て、2人でワァキャアと言っていたのを、当然奏も貴也も知らない。
「あれ奏くんの肩借りてる!」
コソコソと話す2人の声は、他の観客があげる悲鳴に簡単にかき消されていく。
「うわぁぁ、可愛いな、貴也くん。」
千秋は紘とお出かけらしく、2人で様子を見て、逐一千秋にも報告している。
琉は今日も仕事で、翔也は昨晩遅くまで仕事だったらしく、朝帰りしてきてまだ寝ているらしい。
いつもはからかわれる側の恋と明希にとって、人の恋路をこうして見守るのは、ものすごく楽しいことでもあり、貴也と奏がうまくいくといいな、という心配もある。
「あっ、恋見て!奏くんが毛布かけてる。」
「本当だ…結構紳士だな。」
もはや最初から映画の内容などそっちのけの2人は、絶対に見つからない位置から2人の行動を楽しんでいた。
とはいえ、貴也が眠ってしまった今、もう彼らに大きな動きが見えるはずもなく。
「あぁぁぁぁ!見ちゃった見ちゃった見ちゃった!」
「ひいっ!」
明希がスクリーンいっぱいに映ったお化けを見て、顔を伏せ、それにつられてスクリーンを見てしまった恋も呻いて顔を伏せる。
この2人は、別の意味で映画の内容が全く入ってくることはなく、映画館を後にすることになったのだった。
その頃の翔也たちは…
「なーんかみんな出かけてんなぁ…」
「お前休日なのになんで来たんだよ。」
「いや、台本もらい忘れたなと思って。」
「へぇ、で、みんなって?」
「明希ちゃんは恋くんと出かけるって言ってて、紘さんと千秋ちゃんもデート行ってるし、貴也まで奏くんとデート…俺寂しい!」
「知るかよ。俺は仕事だっつの。」
「いや、もう終わってるじゃん!」
「じゃあ飯でも食いに行くか?」
「行く行くー!」
少し遅いお昼時、琉と翔也は琉の撮影場所に近いイタリアンレストランに向かうことにしたのだった…(フラグ)
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