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*137
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〜零side〜
「あ、起きた?ちょうど着いたよ。」
零が気がつくと、もう家についていた。
「ふぁ…思ったよりしっかり寝た。」
「だね。よく寝てた。」
遥がそう言って笑う。
「さて、降りますよ…っと、どうした?」
「んー…遥…いい匂いする。」
まだ寝起きで頭がふわふわしている。
遥を後ろから抱きしめて、顔を肩に埋める。
「れーい、くすぐったい。」
「んー、いいからこのまま…」
ぐりぐりと頭を押し付けるようにして遥に甘える。
「甘えん坊だなぁ。」
遥にぽんぽんと頭を撫でられて、だんだん覚醒してくる。
(俺何してんだ?)
一瞬自分が何をしているのかよくわからなくなり、遥に甘えていることを自覚する。
急激に羞恥心に襲われ、零はため息をついた。
「なにため息ついてるの?自分がやってること自覚した?」
クスクスと笑っている遥は、寝起きでぼんやりとしていたことをわかっていたらしい。
「あー…本当な。なにやってんだ俺は。」
「俺は嬉しかったけどなぁ。」
「…またそうやって可愛いこと言う。襲うぞ。」
「だーめ。」
「わかってる。」
ぎゅう、と遥を抱きしめて、頬にチュ、とキスをする。
「…でも本当に遥不足。足りない。」
「なにそれ。だから甘えたなの?」
「…かもな。」
「んー、じゃあ手でしてあげようか?」
「は…」
「いや、冗談ですけど?そんな期待に満ちた目で見ないでよ!」
「…まあそうだな。されたらそれで止まれる自信ないわ。」
「でしょ。」
遥とはもう随分イチャイチャしていなかったように思う。
互いに忙しいし、遥の体調の方が心配で、こうして体を寄せ合うことも少なくなっていた。
「…あー、ヤりてえ。」
「ちょ、胎教に悪い!!」
「…いいだろ。俺に似てエッチがうまい子になるかも。」
「なんで男前提だよ。ていうかそんなんいらんわ!」
「くくくっ…遥の子供、早く見たい。」
「俺たちの、な。」
「…お前本当可愛いな。」
「てかいつまで車に乗ってんの?降りようよ。」
完全にはぐらかされて、遥が先に車を降りる。
零も続いて車を降りた。
「はーるーかー。」
ソファに座って、洗濯機の方にいる遥に呼びかける。
「なに?」
「イチャイチャしよう。」
「さっきしたでしょ。家事やらないと。」
「そんなの後でいいだろー。」
「洗濯物干さないと乾かないじゃん。」
「ケチ。」
「…零ってたまに本当に子供っぽい。」
「遥が足りないの。」
「零、今日仕事は?」
「夜勤明けだから休み。」
遥は療養のため、ということでしばらく休みを取っているため今日は2人とも休みの貴重な日なのだ。
「だからイチャイチャー。」
「三十路にもなって駄々こねないでよ。」
遥はそう言いながらベランダに行ってしまう。
とはいえ、2人暮らしの洗濯物など、大した量もなく、10分ほどで遥は戻ってきた。
「よし、もういいだろ?イチャイチャしよう。」
「だーめ。掃除もしないと。」
零は仕方なく、テレビでも見るか…とリモコンに手を伸ばす。
すると遥が後ろから抱きついてきて、零は固まる。
「…だから後で、ね?」
そう言って掃除機を取りに行ってしまった。
零はしばらく、そのまま固まっていたが、遥が掃除機をかけ始めて、振り返る。
「…遥って、本当ずるいよな。」
「へ?なに?」
掃除機の音で聞こえないのか、聞き返してくる遥。
「なんでもなーい。」
聞こえるようにそう返し、零は気を取り直してテレビをつける。
その零の耳が、赤く染まっていたことに、遥も本人も、気づいてはいなかった。
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短めですが、リクエストいただいた零×遥のお話でした!
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