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〜琉side〜
「い、行きたいところって、ここですか?!」
「うん。」
2人がついたのは、恋の職場のファミレスR。
琉は一度ここに来てみたかったのだ。
本当は恋が働いている時に来てみたいのだが、それはまたの機会に、と考えた。
「知ってる人いる?」
「知らない人がいません。」
「入っていい?嫌なら店変えるよ。」
「別にいいんですけど…ちょっと、恥ずかしいです…」
「じゃあまあ、入ってみるか。」
ちょうど夕飯時で、店は大分混んでいた。
「いらっしゃいませー!お名前お書きになってお待ちください!」
店員の声が飛んできて、店内を動き回る彼らは慌ただしい。
「いつもこんな感じ?」
「まあ…でも、平日の夜はいつももう少し空いてます。」
「へー…土日は混む?」
「はい。家族連れも増えますからね。」
アカツ、と名前を書き、待っている列に並ぶ。
「恋座っていいよ。」
1つだけ空いていた椅子に恋に座るよう促す。
恋はおとなしく従って、琉は恋の前に立った。
「ただいまお伺いいたしまーす!」
あらゆる音が店内で鳴り、店員の声が飛び交っている。
琉はその様子が面白くてキョロキョロと辺りを見回していた。
「うお、すげえ。あんなに皿持てるの?」
ふと通りがかった店員が、何枚も皿を持っているのを見て琉はそう言う。
「慣れれば結構持てますよ。」
「恋も持てるんだ?」
「まあ…一応長く働いてるので。」
「すごいなぁ…」
「でもなんか、客として来ると、やっぱりそわそわしちゃいます。」
「ん?なんで?」
「いろんな音が気になっちゃって…」
「あはは!完全に職業病だな。」
他愛もない話をしていると、待ち時間はあっという間だった。
「アカツ様ー、禁煙席2名様でお待ちのアカツ様ー。」
「はい。」
「こちらご案内いたします、どうぞ。」
ニコリと笑った女性店員がそう声をかけてくれる。
その女性店員が恋を目にした瞬間、ふふ、と笑う。
それを見た恋も笑って、軽く頭を下げた。
「こちらのお席でよろしいでしょうか?」
「はい。」
「ご来店ありがとうございます!お決まりになりましたらボタンでお呼びください。」
恋をチラチラと見ながら、そう言って女性店員は去って行った。
「あー、絶対ばれた…あの人、前に琉さんが電話した時に応対した人なんです。」
「あ、そうなんだ!てことは婚約者って知ってる?」
「はい…はー、恥ずかしいっ…」
「ほら、何食べる?」
「えーと…いくつか頼んでシェアしますか?」
「お、それいいね。店員さんオススメは?」
「えーっ…これとか…?」
「おー。いいね。つまみとワイン頼んでいい?」
「どうぞ。」
「恋もワイン飲む?」
「んー…少し飲もうかなぁ…」
「じゃあ少し軽めのやつにするか。」
2人でメニューを眺めて、頼むものを決めて、琉がボタンを押した。
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