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〜明希side〜
12月17日 15時
「ふぁ、ぁぁ…」
「大丈夫?」
「んー…最近ちょっと、寝不足で…」
明希の隣を歩く恋が大きなあくびをしている。
どうやら琉の誕生日のために、いろいろなことをしているようなのだが、それのために睡眠時間を削っているらしい。
「頼むから倒れたりすんなよ。」
「ふぁ?なんで傑が…そんなこと気にすんだよ…ふぁぁ…」
「俺の評価に関わってんだよ。お前が倒れたとなれば旅行行けなくなるぞ。」
「わ、それは困るわ。生きる。」
「生きるって何。」
傑と千秋も含めた4人で、今日は明希の実家に向かっていた。
傑と恋の、まるで漫才のような掛け合いに明希と千秋は顔を見合わせて笑う。
「つーかまじ眠い。目閉じたら寝れる気がするわ。」
「とりあえず明希の家に着くまでは頑張ろうよ。」
「んー…千秋の胸を借りて寝たい。」
「歩いてるから無理だよ。」
千秋はそう言ってクスクスと笑う。
「今更だけど、俺、明希の実家に行って平気?」
「あー、傑のこと知ってんだっけ?明利さん。」
「知ってたような…なんか、笹倉グループは許さないとかどうとか言ってたような気もする…」
「それ俺行ったらやばくない?間違いなく殺されるよな?」
「殺されることはないでしょ…」
「や、明利さんなら…」
「俺の父さんどんな鬼だよ。」
「でも、紘さんが行った時は、烏沢グループって知ってても、そんなに嫌そうな顔しなかったよね?」
「それは紘さんが悪いことしてないって調べがついてたからじゃね?」
「まあとりあえず行ってみようよ。あとは俺に任せて。」
「まあ明希が言えば話聞くよな。」
「うん。そうだね。」
「はぁぁ…心配しかねぇ…」
そんな話をしているうちに実家の前に着く。
「…明希の家、中学ぶりにみたけど…でけえな。」
「何度来てもまじでここのでかさには驚く。」
「傑の家もそれなりに大きいよね?」
「俺の家は烏沢邸にも及ばないよ。」
「そうなんだ。ここは烏沢の家よりすごく大きいからね。」
インターフォンを押して、しばらく4人で話していると、執事が顔を覗かせた。
「…明希様、その方をお通ししていいのですか?」
執事が射るような視線を向けたのは傑だ。
「大丈夫。もう仲直りしたから。」
「恋様、千秋様、いらっしゃいませ。」
わかってはいたものの、傑と、自分たち3人への対応の差は歴然だった。
「明希様のお許しがありましても、旦那様がお許しになるか…」
「それについては俺が話すから、とにかく入れてあげて?ね?」
「かしこまりました。」
執事は渋々、と行った様子で4人全員通してくれた。
「父さんは?」
「書斎でお仕事をなさっています。菜々子様は利希様とお買い物に行かれました。」
長い廊下を歩きながら執事と話していると、ちょうど書斎から明利が出て来た。
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