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*171
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〜恋side〜
「ま、お祝いを止めるのは千秋ちゃんに申し訳ないし!そこはみなさん、もう少し我慢ということで。」
「そりゃそうだな。」
「千秋、お前が主役なんだ、こっちに来い。」
恋と明希と千秋は顔を見合わせる。
が、言う通りに琉たちに近づく。
「さて、それでは改めまして。千秋ちゃん、合格おめでとう!」
「おめでとう。」
「おめでとう千秋。」
「あ、ありがとうございます…」
千秋はチラチラと恋と明希に視線をやりながらも、琉たちからのお祝いに礼を返す。
そしてシャンパンを全員のグラスに注ぎ、乾杯をし直した。
琉たちは談笑しているが、恋たち3人はドキドキとしていた。
トークの内容がバレたからには、このままで終わるとは思えない。
だが、今の琉たちは何かをしてくる気配はない。
先延ばしにされているだけのような状態に、変に緊張が高まる。
いてもたってもいられなくなった3人は、琉たちが話しているのをいいことに、身を寄せ合う。
「…ねえねえ…バレちゃったけど…どうする?」
明希がコソコソとそう言う。
「全部見られたからごまかすのも無理だし…」
千秋もそう言って困り顔だ。
「はぁ…めっちゃ恥ずかしいな…」
「どうしよ、ほんと…」
「ね…」
3人で顔を見合わせて、大きなため息をつく。
これが、3人とも膝を抱えながらそうしているのだ。
琉たちに見られていることも気付かず、そのままコソコソと会話を続ける恋たち。
縮こまってヒソヒソと話しているその姿はまるで小動物の集まりだ。
「煽ってるのに気づかないから困る。」
「琉、今は我慢してね。」
「千秋…恋と明希と出会ってから、ものすごくふわふわしてる。烏沢にいたときはあんなんじゃなかった。」
3人がそんな会話をしているとはつゆしらず。
恋たちは相変わらず可愛らしい体勢をキープしている。
「んー…なんか、お酒回ってきたかな?ふわふわする…」
「明希も?僕も。」
「やばい、俺もふわふわする。」
なんだかんだでお酒を飲んでいた恋たちは、そろそろ酔いが回ってきていた。
ぽけーっとしている3人は、トークのことが頭から飛んでいる。
「そうだ、千秋の受験も終わったし、出かける日程決めようね。」
「あ、そうだな。」
「傑にも言っとくね。」
「うん。ごめんね、待たせちゃって。」
「全然いいよー!」
明希は勢いで千秋にぎゅーっと抱きつく。
「俺も混ぜてー。」
恋までそれに混ざった。
「よし、お開きにしよう。」
「明希ちゃーん、帰るよー。」
「恋、行くぞ。」
「え、もう帰るんですかー?」
「お隣なんだからそんなに急がなくても…」
「2人とも帰っちゃうの?」
「また3人で会ったらいいよ。」
翔也ににこりと笑ってそう言われ、恋たちは、それもそうか、と納得する。
琉と翔也と紘の理性が、限界に達していたことに、まだ恋たちは気づいていない。
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