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榎本、廊下に立ってなさいにしおりをはさみました!
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榎本、廊下に立ってなさい
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みなさん、ごきげんよう
俺の名前は榎本旭。
学校1のイケメンで成績もトップクラス
運動だって得意で特になわとびをやらせたら
右に出るものはいない。
毎朝下駄箱を開けると
女子からの熱烈な愛の手紙で溢れかえって…
「いっっってええええ！！！！」
「榎本。テメーいい度胸だな。俺の授業で寝るたあ」
素敵な夢を見ていたのに
硬い棒のようなもので頭を殴られた。
目が覚めたっつーか頭が裂けたっつーか。
「うるせぇんだよ、大体何が学校1のイケメンだ女子からの愛の手紙だ。ここは全寮制の男子校だろーが気色悪い夢見やがって」
「ちょっ、やだ何先生エスパーなの？俺の夢なんで知ってるの？ワンチャン、ストーカーなの？捕まるの？」
「榎本くん放課後数学準備室ね」
イッテ、また頭叩かれた
特待生の頭をなんだと思ってんだ、バカになったら
訴えてやる
っつーか何さっきからあのクソホスト数学教師
何で殴りかかってきてるの？
やたら痛い攻撃力がやたら高い
って、え？なんか
ゴリゴリと背中に擦り始め…
え？
まさか、あいつ授業中に
孫の手持ち込んでるの？？？？
しかもそれで
生徒殴ってんの？
「今すぐ教師やめろ！！PTAに訴えてやる！！！！！」
許せん！！！
「榎本くん今期数学単位無し、と」
「立川先生大好き！！先生が担任でよかった！！ホストみたいでかっこいい！！」
「媚の売り方が下手。次のテストはマイナス50点からのスタート」
「くたばれクソ教師！！！！！！！！」
勢いそのまま席から立つと
後ろからシャツの裾を引っ張られた。
「なに、キヨくん」
「テメー8の字跳び怖くて入れねぇっつって回す側やってたのに何がなわとびが得意だよ笑わせんな」
「それわざわざ起きて言うこと？」
幼馴染で不良のキヨくんは毎日全教科安らかにお眠りになって過ごしてる。のに
「アレはクラスの子達が本気になりすぎて勢いが怖かったんだよ。なわとびが怖いんじゃない、あの時のクラスメイトが怖かったのわかる？」
「オレは覚えてっぞ。縄が顔面に直撃したんだよなあ。あん時のお前の顔と言ったら」
「キヨくんほら寝なよねえねえいつもみたいにさあ！！」
口元を手のひらで抑えようと試みるけど…
くっ…鼻が高くて抑えきれねえ…！
イケメン滅びろ…ッ！
「えっ…榎本…手紙欲しいなら俺後で書いてやるからよ…」
後ろを振り返ったオカシーが
恥ずかしそうにこそっと言ってきた。
「え、遠慮したいでござる…」
男から欲しいわけじゃないんだよ…
オカシー、察して頼むから
やっぱバカしかいないのかなあ。
この学園。
自立した生活（全寮制）と
高い偏差値、卒業後の進路
全てが俺の求めていた条件に合致していた
この学園。
男子校でホモばっかり、
金持ち御曹司おぼっちゃまばっかり、
生徒会や風紀委員会に対して
ちょっっっとばかし宗教めいた
感情を抱いてたり。と
問題はあるけれども
俺はふらふらと躱しつつ
入学してからそろそろ一ヶ月が
過ぎようとしていた。
ちなみに、冒頭のあいさつで
正しいところは
俺が榎本旭だって言うことと、
頭が学年で1番いいってことと、
イケメンってこと。
「榎本、廊下に立ってなさい」
立川、辞表を出してきなさい。
そう叫びたくて仕方ない。
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