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昼食にしおりをはさみました!
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昼食
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料理がくるまでたわいのない会話を細々と続けた。
「今日何冊買ったんだっけか」
「えーと…10冊程度ですね」
「一気に買いすぎだろ。学生の懐はあんまり暖かくねえだろうに」
「僕お小遣いは貯めているんで大丈夫です。こういうときに使わないとですね!」
「流石俺が見込んだ本の虫だ」
「今、僕ほめられましたか?」
「すっげぇ誉めてる誉めてる」
「あっありがとうございます…?」
そしてさっきのウェイトレスがいそいそと大きなお皿に盛りつけられたナポリタンを運んできた。
机に本をちりばめていた健太郎が慌てて鞄につめ戻している間に、佐藤がウェイトレスから皿を受け取る。
「ほら美味そうだろ」
ケチャップで味付けされた麺を彩るようにピーマンや飴色に焼けた玉ねぎが混ざこんであり、とても食欲をそそる香りだ。
てっぺんにかけられた濃厚チーズを絡めて食べると、言葉を失うほど美味しいのだろう。
「うわ、本当ですね。いただきます」
想像通りとてもおいしかった。
ナポリタンの美味しさと心地よい空間のせいか、少々テンションがあがっていた健太郎は、食後のコーヒータイムのとき珍しく口を開けっぱなしだった。
内容は様々だが、健太郎はすごく楽しそうに話す。学校のこと、自分自身のこと、本のこと。
饒舌な健太郎に相槌をうつ役目の佐藤は、楽しそうに目を細めて目の前でころころ表情を変える小動物を見守った。
優しげな視線に我に戻った健太郎は恥ずかしそうにコーヒーを啜った。
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