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惚気にしおりをはさみました!
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惚気
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「そういう感じだったよ」
「へえ…そうなの」
月曜日の学校の昼休みに、弁当を食べながら健太郎は敦にデートの経緯を報告した。
敦とは、健太郎に初めて話しかけてきてくれた男子生徒であり、今ではすっかり弁当を広げあう仲にまで発展していた。
大人しめの風貌を淡い笑みで埋め尽くし、卵焼きを摘まんだ。
「いい恋人さんだね。あっ面白い本あったら貸してね」
「もちろん。たくさん買っちゃったんだ」
リア充オーラを撒き散らして照れる健太郎をじっと敦は見つめる。
その視線に気づいた健太郎が、締りのないヘラヘラ顔で「なーに?」と言う。
なんでもないよ、と苦笑で誤魔化す敦だったが、その気配によそよそしさを感じる健太郎は心配げに眉間に皺を寄せて「僕、なにかした?」と自分の非を尋ねた。
「そういうんじゃないよ…はっきり言ってもいいの?」
戸惑う敦のせいで簡単に言えないようなことをしでかしたのか、と健太郎の緊張が深まる。
なんでも言って、と懇願すると敦の決心が定まったようだ。
「なんかさ…本屋巡りとかって、若い者のすることじゃないと思うんだよね。はっきり言うと熟年くさい」
その一言に、健太郎はウインナーを落とした。
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