アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
プレゼントにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
プレゼント
-
「昼からどーっすかなぁ」
「あっ………あのお店入りましょう!」
健太郎は佐藤の腕を掴んでぐいぐい歩き始めた。
佐藤はされるがままにされているが、積極的な健太郎に首を傾げている。
最後の敦の助言。男ならプレゼントしろ。
そのために今日は豚の貯金箱を泣きながら叩き壊してきた。これで財産は蓄えてある。
前のデートでは高そうな栞を買ってもらった。
ならば自分もそれと同様の価値がある物をお返ししなければならない。
勢い良く入店した店は上品で落ち着いた雰囲気のあるアクセサリーショップだ。
いらっしゃいませ、とこれまたエレガントな身のこなしの店員さんが迎えてくれ、なかなか教育が行きとどいているいい店だと確信が持てた。
「あっこれいーじゃん」
何となく呟いた佐藤の言葉に、健太郎は素早く彼の背中にへばりつく。
「どれですか!」
「えっ?ああ、このバングルいいなーって思ってよ」
突然ひっついてきたのに驚きつつも、しっかり返事はしてやる。
「いくらですか僕が買ってあげま…」
言い切る前に、健太郎の思考が停止した。
佐藤が摘みあげているバングルは、革で均等に金属の飾りがついているシンプルなもの。
だがぶら下がる値札という現実が、軽々と健太郎の財産を踏みつぶす。
「いやー欲しいけど高いな。給料入ってからにするわ…ってなんでまた泣いてんの!?思い出し泣き?」
「なんでもないです………」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 18