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敗北
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気がつけばもう日が落ちていた。
夕暮れ色に染まる公園内を、佐藤につづきながら、とぼとぼ肩を落として歩く。
頑張って佐藤に喜んでもらえるようにと今回のデートを計画したのだが、どれもすべて空回りに終わってしまった。
自分のふがいなさと計画性の無さに失望していると、突然佐藤が公園内のベンチに腰を下ろした。
「ほれお前も座れ」
自分のあいた隣をぽんぽん叩いて指示してくるので、健太郎はおずおずと座る。
「あー疲れた」
小さい呟きに、健太郎の心臓がはねた。
だらけたポーズで虚空を見つめる佐藤に、健太郎は申し訳なさでいっぱいになる。
「ごっごめんなさい佐藤さん…今日、僕のせいで疲れさせてしまって…」
「ん?あーお前のせいじゃねえよ。でもちょっとお前おかしかったよな。どした?なんかあったのか」
のぞきこんでくる端正な顔立ちに、また心臓が早鐘を打ちならす。
数センチの距離でその瞳に見つめられると、何故か黙っておこうという決意が揺らいでしまう。
必死に全てをぶちまけて楽になりたい気持ちと、秘密にしておきたい思いが激しく競り合うが、結局健太郎に隠し事は向いていなかった。
「とっ友達にちょっと前のこと話したら、若者のデートじゃないって言われて…」
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