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18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
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3
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次の日に、玄関のドアを開ければやっぱりシンはいなくて。
ダメだって思うのに涙が滲みそうになる。
「よぉ。」
響いた声に、ガンと頭が打ち付けられるような感覚がした。
「.....風紀委員長、何で...」
そこには、不敵な笑みを浮かべて仁王立ちする風紀委員長。
何で?俺をわざわざ迎えに来たの?何のために?
風紀委員長は俺の疑問に答える事はなく、不機嫌な顔になって言った。
「お前、本当に物覚えが悪いのな。俺の事は何て呼べって言った?」
「あ.....ご、ごめん、なさい。....円」
「よし。ほら、行くぞ。もたもたすんな」
怖いし、泣きそうだけれど今はもう部屋の外。
いつもの生徒会長を務めなきゃ。
だから風紀委員長にもいつもみたいな態度をしなきゃ。
名前呼びさえ気を付ければいいだけ。
そう自分に言い聞かせて、教室への長い長い足取りを歩む。
すれ違う生徒達は、生徒会長と風紀委員長が並んで歩く姿に物珍しそうな視線を送る。
......風紀委員長の睨みで直ぐに目をそらすけれど。
もしかしたら、卒業するまでこのままなのかなって、不遜な背中を見ながら考えた。
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