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やっと教室に着いた....。
俺の心はもういっぱいいっぱいだった。
これでやっと風紀委員長から逃れられる。
「昼休み、迎えに来い」
「え?」
「聞こえなかったのか。昼休み、迎えに来い。いいな...?」
仕方なく頷けば、風紀委員長は自分のテリトリーである資料室へと向かった。
そうやって貴方は俺の安らぎさえ奪っていくんだ。
早々に、一日が憂鬱でならなかった。
「シュウさん」
ビクン、と身体が反応した。
その声に呼ばれただけで、蕩けそうな感覚に陥る。
もう俺の事なんて見捨ててくれればいいのに。
昨日あんなに酷いことをしたのに、まだ気に掛けてくれるの?
俺は縋るように振り返る。
そこにはやはり、シンがいた。
シンは俺の顔をまっすぐに見つめていた。
「昨日あれから、冷静に考えたんです。シュウさんは本当に風紀委員長と付き合ってるのかって。
だけど、どうしても辻褄が合わなくて......どうしても俺の嫉妬で認められなかった」
淡々と話すシン。
え?今、シンが『俺』って言った?
それに.......嫉妬?
え?え?と混乱してる俺をよそに、シンは淡々と話を続けた。
「よく考えたら、あそこは風紀委員長の縄張りだって噂を聞いた事があるんです。
それで推測したんです。もしかしたら、あの時の出来事を見られていて、素のシュウさんの事を脅されたのかなって。
でもそれだけだったら、シュウさんも諦めて納得するかもしれない。」
ドキリとした。
シンは全部お見通しなんだ。
「——それが、シュウさんだけで済む話なら。
シュウさんの素の姿は、生徒会の沽券に関わるって事で秘密にされているのにそれがバレたら生徒会に迷惑をかける。
シュウさんはそう考えて、風紀委員長の言いなりになった。そう考えたら辻褄があったんです。」
シンはそこまで言うと、一度黙り込んでまた口を開いた。
「すみません。さっきの話、聞いてました。
昼休み、俺も風紀委員長の所へ行きます。待っててください」
シンは早口に言い終えると、踵を返して行ってしまった。
お昼休み、どうなってしまうんだろう。
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