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嫌いな相棒にしおりをはさみました!
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嫌いな相棒
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中也side
「中也」
「あ、太宰、起きたのか」
「うん。あ、そういえば私の本知らないかい?」
「あの自殺なんちゃらかんちゃらのか?」
「そう!それだよ!」
「なら俺の部屋にあったぞ」
「わかった」
「おう」と返事をすると太宰は俺の部屋に向かっていった。
「……はぁぁ…太宰……」
「なんだい?」
「わぁぁ!?」
俺が太宰の名を呼ぶと太宰が後ろから俺の耳の横で問いかける。
太宰……驚かすなよ…
「ふふ、驚いたかい?」
「うるせ…」
「中也は可愛いね」
クスクスと笑う太宰を見るとやっぱりいつもの太宰だなと思う俺がいて。この顔をいつしか見れなくなると思えば思うほど太宰のことが愛しく思える。
「中也?」
「なんでもねぇよ」
でも、俺は戦わなくちゃいけねぇから。
自分の為にも……太宰の為にも………………。
グハッカハッ
人が唸りあげる声がする。
ゴキッギュルッグチャグチョビチャッ
骨の折れる音。血の匂い。人が死んでいく。
相手が悪い。
まさか彼奴だとは思っていなかった。
「太宰」
「なんだい?中也」
「俺ら、双黒だよな」
「そうだけど…何どうしたの?」
「なんで人1人守れないんだろうな」
「え…?」
太宰が俺に問いかけると俺は相手を倒しに行く。
太宰が俺の名を呼んでいるのが聞こえる。
ごめん太宰。
そして俺はあの力を使った。
「中也!中也!!」
太宰…か。
姐さんも居る……。
ボスも……。
………………………………………あぁそうだ、俺は彼奴を
殺したんだ。
「中也……」
「………太宰」
「!!中也…目が覚めたかい?」
「ん…」
「痛む所は無いかい?」
「………心配してくれんのな」
「そんなの当たり前に決まって…………っな、そ、そんなことないし!!中也の馬鹿!」
ははっと笑うだけで体が痛む。
でも此奴にはこんな姿を見せる訳にはいかないからな。
「中也くん、起きたかい?」
「あ…ボス。すみません、迷惑かけて」
「いいんだよ。いい手柄だったよ」
「……ありがとうございます。」
「でもあんまり無理はしないようにね?今の体じゃ当分戦うのは無理だ。君は安静にしておくように」
「もう大丈夫です。痛くないですから」
「………本当かい?」
ボスの視線は痛い。
何かを見透かすような目で見られると少し怖くもなる。
………………………………………大丈夫だ。
「本当です」
初めて嘘をついた。
いや、嘘じゃない。
本当のこと。
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