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74にしおりをはさみました!
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74
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轟さんの家は俺の家から電車と徒歩で1時間ほどのところにあった。比較的開けた駅から徒歩数分のところにある、単身者向けアパートだ。彰吾が住んでいたボロアパートよりはしっかりしている。
教えられた部屋番号のドアまで来て、ベルを鳴らす。と同時に、扉の向こうで待ち構えていたのではないかと思うくらい直ぐにドアが開かれた。
「こんにちは」
「こっ、ここ、こんにちは......!あ、あの、どうぞ......っ」
雑然とした部屋は細々としたものが脇に追いやられるように片付けるでもなく置かれている。いや、出しっぱなしの掃除機を見る限りとりあえず床の掃除を済ませたところだったのだろう。
「あの、ち、散らかっててすみません......」
「おじゃましまぁす」
そのくせ、本人は自宅だと言うのにいつものスタイルだった。部屋の、いかにも中年男の独り暮しという雰囲気と、黒スーツに身を包んだ本人のギャップがすごい。
「轟さん、家なんだからもう少しラフな格好すればどうですか?スーツ、しんどいでしょ」
「し、しかし、普段の服で姫の前に立つなど......!」
「俺、別に服装なんて気にしないけど......せめてジャケットくらい脱いだらどうですか?」
「で、では......」
部屋の隅にある透明の衣装ケースには畳まずにぐちゃっと突っ込まれた衣服が見えるが、スーツのジャケットだけはきちんとハンガーにかけている。というか、いつものスーツにはしわ一つない。
部屋の中は基本的に雑然としているのに、以前来た時にも見た、俺の写真集やグッズをコレクションしている棚だけは綺麗に並べられていて、この人の俺にかけてくれる情熱に感謝の思いが込み上げてくる。
「轟さん」
「へっ、わぁ!?ひ、ひひひ、ひめ?」
スーツを掛けている轟さんの背中に、ぴたりとくっつく。こうして並ぶと少し俺の方が高いから、可愛さなんてないけど。
「轟さん......いつもいつも、たくさんご迷惑かけてごめんなさい。それにいつも心配してくれて、本当にありがとうございます」
轟さんが完全に固まってしまったのをいいことに、俺は一人で、ずっと言わなければと思っていた言葉を告げる。
「轟さんには、つい甘えちゃいます。どんな時でも見ててくれるから......今日だってそう。でも、ごめんなさい......俺にはお礼っていうと、こんなことしかできなくて......呆れる?」
ワイシャツの襟元から見える首筋に口づけて、前に回した手をするすると下ろしていって、男の中心に触れる。
「だっ、だだだ、だめです!お礼などしていただくようなことしてません!それに、姫からはもう十分すぎるほどたくさん頂いてます......ンッ!」
慌てて振り返ったところにキスをして、そのまますぐ近くにあったベッドまで引っ張って一緒に倒れ込んだ。
「ひめ、ひ......んんっ、だ、だめで......んむっ」
「いや?俺のこと......抱いていいよ」
足で轟さんの腰を捕まえれば、硬くなったソコが俺の真ん中にゴリ、と当たった。
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