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18歳以上ですか?
11にしおりをはさみました!
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11
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「気にするな。俺が勝手に作ったのだからな」
寿の頬を皇子が撫でようとする。
だけど触れる寸前で、皇子は切なそうに微笑んで手を下ろした。
(…?)
「‥…後、いつでもいい。敬語をやめてくれないか…?」
「‥それは…、」
ご命令ですか、と聞こうとしたら皇子が首を振る。
「今じゃなくていい、いつでもいいと言っている。だからそんな困った顔をするな…」
そんなに困ったような顔をしていただろうか…、
寿自身もわからない。
「寿、これはこの国の銘菓の砂糖菓子だ」
皇子が話題を変えてニコッと笑う。
赤や青やピンクなど鮮やかな色した砂糖菓子が入った透明な瓶を寿に渡してくる。
「…ありがとうございます」
瓶の蓋を開けると、ほのかに甘い匂いがする。
その匂いにつられてつい手が出てしまいそうになった。
「……一ついただいていいですか?」
「ああ」
皇子の許可を得てから、寿は青色の砂糖菓子を摘まみ口に運ぶ。
口に入れた瞬間、砂糖菓子の独特の甘さが広がって寿の表情が綻ぶ。
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