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10 sideラウト
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チ「ぐはっ」
ラウトが撃った銃弾の1つは男の銃を弾き、もう1つは右肩を撃ち抜いた
ラ「やべぇ…落ちんな、これ…」
ラウトはその言葉の通り、銃の反動で岩の上から海に落ちた
とりあえず海面に上がらねぇと…
ちっ…脚がうまく動かねぇ…。息もそろそろ限界だ…
……あーあ、レイに怒られんな…
…あの時、無理にでも人魚に触っておけばよかった……それに、死ぬ間際になって自覚するとか俺も大概だな…
…最後にもう1度、会いてぇなぁ…
そんなことを考えていると、ラウトの前に何かの影が重なって現れた
「助けてあげるから暴れないで大人しくしててよ?」
助ける…?
ちゅ…
本来、水の中ではありえないがラウトにはそんな音がはっきり聞こえた
………え?目の前に彼の顔がある…唇に柔らかいものが…俺はコイツと…
ラウトの唇の隙間からは空気がコポコポと漏れた
そして何秒か経った頃、唇を離した
「これで…息できるでしょ?」
息?
ラ「え、ぐっ!ゲホゲホゲホッ……」
「息は出来るけど、喋ると
水が入ってくるから気をつけてね」
ラウトは咳き込みながら頷いた
マジかよ…俺息してる…
ラウトは喉に手を当て驚く
「1個だけ質問するね。分からなかったら
何も反応しないで」
ラウトは人魚に視線を移し頷いた
ラウトは間近で見る人魚に目を奪われた
やっぱり、綺麗だ…
「まだ上に貴方を撃った人はいるの?」
あー…俺が上がってくるのを考えているかもしれねぇし、仲間の所に戻った可能性もあるな…分かんねぇ
「分かった。とりあえずこれ巻かせてもらうね」
ちょっと待て!
人魚はそう言って自分の腰に巻いてあった真っ白な布を取るとラウトの腿に巻こうとするが、ラウトは布から脚を遠ざける
俺の血で汚れるからいい。と言いたかったが水が中に入ってくるため言えないからだ
人魚はそんなラウトの行動にムッとした
「じっとして、怒るよ」
人魚の言葉にラウトはピタリと止まる
それは嫌だ
……それにしても、真っ白でキラキラしてんのに…勿体ねぇな…
「この先に崖があるの。そこの下に小さいけど
浜辺があるから、とりあえずそこに向かうよ」
頷くラウトに人魚は、動かないでよ?と言ってラウトの背後に回り両脇を抱えた。ラウトは驚き振り向く
「貴方のペースで泳いでたら
いつになっても着かないから大人しくしてて」
人魚はそう言ってラウトを引っ張りながら泳ぎ始めた
やべぇ…コイツの腕の中、何かすげぇいい…
ラウトは頬を緩めながらそう思った
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