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ゆっくりとドアを開ける。
カイの言った通りそこにいたのはジューンだった。
でも隣にはセシルがいない。
「あの…」
「入ってもいいかな?」
「…姉はまだですけど」
一歩下がってそう言うとジューンが疑問を顔に滲ませた。
「ルナに話しがあるんだ」
何を話す事があるんだろう、と思ったが取り敢えずベッドに座ってもらった。
ジューンはキョロキョロ部屋を見渡して机の上をみて微笑んだ。
「猫じゃらし、まだ持っていてくれたんだね」
「…はい」
ジューンはルナを自分の隣に座らせ、頭を撫でた。
ルナは嬉しくなり気づかれないよう頬を赤らめる。
「ルナ、」
呼ばれて見上げるとジューンの顔が思ったより近かったので驚いて少し距離をとった。
ジューンはなかなか口を開こうとしない。
「あの…」
声を掛けてもまだ何も言ってこない。
ただひたすら何かを考えるようにルナを見ている。
「ルナは……シノの事が好きなのか?」
「はい」
「そ、そうか…では結婚も」
結婚と聞いて耳を疑った。
「え、え、シノの事は好きですけどそういう好きではありませんっ。ただ、シノは僕の事を友達と言ってくれた初めての人で…大切な人です」
それを聞いたジューンは意表を突かれたような顔をした。
それからハハっと笑ってルナの顎を撫でた。
(何がそんなに可笑しいのだろう)
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