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子供たちの名前は前々からジューンが考えていたらしく、すぐに決まった。
ただ、3匹も生まれるとは思ってもいなかったので急遽考えたみたい。
2匹は男の子で、残りの1匹は女の子、という事でユア、フェイとアンだ。
ルナもその名前をとても気に入っている。
今は大人しくベッドの上で寝ているが、最近の泣き声はすごいのだ。
それも3匹そろって泣かれると凄まじいものがある。
元気があって喜ばしいことなんだけれど。
(ジューン様、今日は仕事が早く終わりそうって言ってたけどまだがなぁ)
「ルナ」
「にゃっっ」
突然声を掛けられて驚いた。
そこに立っていたのはジューン様でクスクス笑っている。
「ルナを驚かせようと思っていたんだ。」
あぁ、だからドアの開く音も足音も聞こえなかったんだなぁ。
期待通りの反応だったらしくまだ笑っている。
「ルナのその『にゃっ』が聞きたくてね。」
「っもう」
「ふふ、そう拗ねないで。本当に可愛い」
ジューンも子供たちが寝ているベッドに近づく。
フェイが目を覚ましたようでミーっと鳴いた。
「はいはい」
ジューンが撫でてやると喉がゴロゴロなった。
今日も半獣族の娘はだれもが人間に嫁にもらって貰って幸せになろうと必死だ。
確かにルナは昔では考えられないほどに幸せである。
でもそれはジューンが人間だからではない。
もし他のどの種族であったとしても、きっと出逢ってこんな風に幸せなんだろう。
我が子と目の前の愛しいその人を見つめながらルナは静かにその幸せをかみしめた。
fin…
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