アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
episode.11にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
episode.11
-
いつもは助手席に座るのはエレンだが、今日はシンが座っていた。
「なんの勉強だ?」
「あ、実は次の裁判で…」
エレンは前の2人の話が聞こえないフリをして、窓の外を眺める。
いつもは、車の中はリヴァイと過ごせる楽しい時間だが、今日はなんだかもやもやとしていた。
シンとリヴァイは親しげだった。
確かに、エレンが入るまではリヴァイについていたジュニアアソシエイトだったのだから、当たり前といえば当たり前なのだが、なんとなく寂しいと思った。
自分の入る間は無いような、そんな関係が、羨ましいと思った。
「……。…ガー。イェーガー。イェーガー!」
「はいっ?!」
「もう着くぞ。まだ具合が悪いのか?」
「あ、いえ…」
「ぼけっとしてんじゃねえぞ」
「すみません」
その後、クライアントとリヴァイが話している間も、どこかふわふわとして落ち着くことができず、話の内容を覚えていられる気がしなかったので、すべてメモに取った。
「それではまた、後ほどご連絡します」
クライアントの前では丁寧な対応をするリヴァイが、エレンには今でも新鮮だった。
だが今日は、それすら頭に入ってこない。
「イェーガー、帰るぞ」
「は、はい!失礼します」
「失礼します」
帰りの車中も、もやもやとした気持ちが収まらないまま、事務所に帰る。
そのままなんとなく仕事を進めていたので、終わるわけもなく、エレンは病み上がり早々、残業をすることになってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 47