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18歳以上ですか?
27にしおりをはさみました!
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27
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結局、佐保は何をするでもなく、俺を抱きしめたまま眠ってしまった。
目を閉じたコレは、起こすのが勿体ないくらい綺麗な顔をしていた。ずっと――叶うならば未来永劫――寝ていればいいとさえ思う。
俺はと言えば、身動きも出来ず、かと言って寝るなんて選択肢は論外で。
一心に空を見つめていれば、ポケットの中で携帯が震えた。
「んっ……」
突然の刺激に全身がぞわりと粟立つ。思わず漏れた声を記憶から抹殺。奥歯を噛みしめ、忌々しく振動する携帯をなんとかポケットから引きずり出す。バイブ機能も考えものだな。
見ると、新着メールが二件。
一件は、たった今受信した、委員長からのメールで。今日の放課後、例の件についての報告を含めた会議を行うといったものだった。
毎度のことながら強制参加、時間厳守の旨が赤字で記されている。心なしか血文字に見えるのも毎度のことだ。音速で了承のメールを送り返す。
もう一件は、今から一時間ほど前のもので――送り主は西永だった。
「『腰が痛むのか? すまない、手加減してやれなかった』――へえ、ならヤるなって話だよね~」
「!?」
俺の腹に回されていた手が踊り、携帯を誘拐した。振り向けば、目と鼻の先ににっこりと笑う佐保の顔。あまりの近さに仰け反ろうとしたところで、強引に後頭部を引き寄せられて――。
「っふ……、ん」
唇に噛みつかれた。
舌の根まで凌辱するような深いキスに、すぐに酸素が足りなくなる。意識がだんだんと遠くなって、どこかに堕ちていく感覚がした。
今は快楽だけが俺と世界の接合点だった。
佐保が覆い被さる。
「いっ……あ……!」
不意に舌先を噛まれ、苦痛に歪めた口端からだらだらと唾液が垂れた。かと思うと、佐保は俺の舌をまるごと口に含み、優しく吸ってみせる。
様々な刺激を与えられた舌はぴりぴりと痺れていて、少し触れられるだけでもそれが快楽となって増幅した。
「ごめんね、折原くん。嫉妬しちゃった」
「っ、く……そ……」
俺は負け惜しみのようなものを吐き捨てることしか出来ない。
涎まみれの俺の口元を、慈しむように舐めあげる佐保の赤い舌。ぼやける視界の中でそれだけがやけに明瞭だった。見ていられずに顔を背ければ、いつの間にか絡めあっていた指先が眼前に現れる。
どきり、とした。
あまりにも自然すぎて、欠片も意識できなかったのだ。
こんな、恋人みたいなことをしていながら。
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