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「真ー!こっち!」
「あ、裕太!」
今日は土曜日。
裕太が、市内に新しく出来たショッピングモールに買い物に行きたいと言うので、ついてきた。というか、裕太が連れ出してくれたのが、正しい。
ひろと一緒に帰れなくなった日から、俺は結構落ち込んでいたらしくて、裕太に散々心配されてしまった。
俺は俺で自分の気持ちがよくわかんないから、裕太に相談も出来ずで、ちょっと申し訳なくなった。
でも、裕太は、そんな俺にたまには気晴らししよーぜ、と言って買い物に誘ってくれた。
なんていうか、…友達っていいもんだな、とか恥ずかしいこと考えた。
「なに買うの?」
「あー、とりあえず靴欲しい靴!あと、服適当に見よーぜ」
靴かぁ、俺も新しいスニーカー買おうかな。
最近全然買い物とかしてなかったもんな。
「あ、後で本屋行っていーい?」
「おーう」
そういや、今日は、俺の買ってる雑誌の発売日だった。
楽しみ楽しみ。
「これいいな」
「いいね!ちょっと欲しい」
裕太とぐだぐだと買い物を済ませ、本屋に向かう。
本屋がある角を曲がる。そこで俺は見慣れた背中を見つけた。
「あれ?って、萩原?デートかよー」
裕太の声がどこか遠く聞こえる。
あ、デート。
いや、別に普通だよね。付き合ってたら。
うん、普通だし。俺がどうこう思うことじゃない。
「みたい、だな。早く本屋行こ」
まだ、ひろの方を見ている裕太を無理矢理本屋の方へ引っ張る。
ほんとは分かってる。
…のかもしれない。
ただ、俺は無性に今ひろの隣にいる叶が羨ましくなった。
なんで、だろ。
俺もちょっと前まであそこにいたんだ。
それなのに今あいつの隣にいるのは俺じゃない。
俺じゃない。
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