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あれから、俺はとうとう裕太に電話してしまった。
裕太を前にすると、なかなか口を開けない俺の背中をゆっくりと撫でて、励ましの言葉をたくさんくれた。
余計に涙が出て、大変だったけど。
事情も分からないのに、なんて優男なんだ裕太。
「ごめん、ありがとな」
漸く落ち着いて、裕太にお礼を言う。
裕太はやっぱり優しく微笑んで、俺の頭を撫でる。
「同い年の真にこんなこというのもあれだけど、真のこと弟みたいに思ってんだ。こんくらい全然おっけー」
…お、弟か。
身長のことは関係ないと思っておこう。
「…ん、ありがと、お兄ちゃん」
裕太に笑ってみせると、ちょっと困りながら、笑う。
「なに?」
「いや、なんか萩原にぶっ飛ばされそうってかいうか」
なんでひろ?
首を傾げていると裕太が更に苦笑い。
どういうことだ。
「萩原から、くれぐれも真を頼むって言われてんだよ。言ってなかったか?」
な、なんだそれ。
ひろまで俺の兄貴面かよ。
同い年に弟と認識される俺って一体。
…俺のプライドはどこへやら。
「…そ、そうなの」
若干呆然としながら、言うと、裕太にまた頭を撫でられた。
やっぱり頭撫でられるの好きかもしれない。
…もしかして、弟と、思われるのこういうとこか!
「あんま、撫でんなっ」
裕太の腕を振り払うと、きっ、と睨む。
よし、いい調子だ。この分なら、脱弟も夢じゃないぞ。
と自分を励ましておく。
「はいはい。とりあえず、真はもう大丈夫だよな?」
時刻はなんだかんだ夕方。
昨日の夜からご飯を食べてない俺の腹はもつぺこぺこで、腹と背中がくっつきそうだ。
「ん!わりぃな、わざわざ。飯食ってくか?」
何となく、夕飯に誘うと、裕太が笑う。
「え、いや、…萩原もいるんだろ?大人数になるとわりぃし、今日はいい」
そう言って、断られた。
なんだよ、つまんないの。食べてけばいいのに。
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