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安全
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うっすら目を開けると兄がいた。
「兄様……お仕事は」
まだ帰ってくるはずのない兄の姿があってどうしたのかときいた。
兄が悲しそうに顔を歪ませた。
「良かった。リア、苦しくないか?」
なんの話だと首を傾げる。
「はい」
どうしていつの間にかベッドの上にいるのか。でも何をしていたのか思い出せない。
「リア……すまない。私のせいで……私が守りきれなくて」
「兄様……あのっ何かありましたか」
兄が目を見開く。すぐに眉間に皺がより険しくなった。
「……今はゆっくりお休み」
そう言われ頭を撫でられた。ウトウトしながら目を瞑る。夢の中で誰かに言われた。
『私のフォード様』
一切の迷いのない声。
兄様は愛してると言ってくれた。好きだと、なら僕は――?
夢の声と同じ言葉がいえない。
兄に対する気持ちが恋情なのか依存なのか分からない。
分からない事がバレたら嫌われてしまうかもしれない。だから、また奥底に沈める。
「すまない、リア。愛してる」
一度もその気持ちに応えた事がない。兄様は僕に好きだと言ってと絶対に強要しない。
ごめんなさいと夢の中で謝った。
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