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act1-14.かくれんぼ?にしおりをはさみました!
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act1-14.かくれんぼ?
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【side葵】
「俺、熱で意識が朦朧としてて」
「あぁ」
「寝ぼけてやったことだから、夢と現実を混同してたんだと思う。深い意味は無いよ」
(いけるか……?)
夏陽の話を聞く限り、寝ぼけていたと言っても問題はなさそうだが、寝ぼけていたからって名指しして謝ってキスをするなんて奇行、普通に考えてありえない。いくら夏陽が頭を抱えるほどのアホだといっても、さすがに騙されないだろう。ここは逃げるが勝ちだ。腕組みをして目を閉じ、疑問が尽きないといった顔で沈黙する夏陽がしゃべりだす前に席を立つ。
悶々と考えている夏陽にばれないうちに、速足で廊下を歩く。夏陽が絶対に見つけられない隠れ場所がある。指導室だ。あまりの不真面目さとアホさゆえに頻繁に指導室で説教を喰らっている夏陽は、この部屋に近づきたがらないだろう。あそこは進路に関する資料室としての役割もあり、基本的に生徒の出入りは自由だ。俺は適当に大学のパンフでも持って昼休み中突っ立ってればいい。それで放課後までは凌げる。
(なんとか6限までの間に作戦を練り直そう)
それしかない。恐らく夏陽は腑に落ちる回答が手に入るまで追い回してくるだろう。絶対に有耶無耶のままにはしないはずだ。あいつはかなり諦めが悪い。長所かもしれないが今の俺にとっては厄介極まりないことだ。
(さすがにもういないと気づいて探してるだろうな)
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