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act1-13.昼休み接吻首脳会議
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【side夏】
「よし、今度こそ逃げんなよ」
昼休み、珍しく机を向かい合わせて弁当を食べる。いつもは雪岡と食べているけど、「葵と話があるんだ」と言って断った。
落ち着きのない葵がいちごオレのストローをがじがじと噛んで言う。
「逃げないよ……」
今度こそ答えを貰う。キスの理由と、『あんなこと』
キスという単語を葵の前で口にするのは恥ずかしいが、このままなぁなぁにするのも良くない。
「き、キス……の、事だけどさ」
「うん」
「覚えてないんだろ」
「……うん、ごめん。なんでそんなことになったの?」
なんでそんなことになったの?か。それは俺が聞きたくもあるんだけど、とりあえず説明するしかないか。
「俺が足ひねって保健室に行ったらお前がいて」
「うん」
「お前立ってたんだけど」
「立ってたの?俺」
「あぁ、立ってたんだよ。でも倒れて」
「倒れたの俺」
「それで……それ、で……」
あの時ことを思い出して顔に熱が集まるのを感じる。葵の舌が俺の舌に絡まって、ゾクゾクとふわふわとする感覚と、葵が俺の頭をしっかりおさえる感覚。
「……顔が赤いよ夏陽」
「う、うるせぇ!!誰のせいだと思ってんだ!」
この状況でよくからかいの言葉が出てくるもんだ。葵の変なところで図太い神経には驚かされる。
「あーー!もう!お前が俺に言ったんだよ!『あんなことしたら嫌われて当然か』とか!『俺のこと嫌いでいてね』とか!意味わかんねぇことばっかり!!」
勢いに任せて言う。葵はまた目を丸くして驚いている様子だった。言葉の出ない様子の葵をそのままに、俺は続けて言う。
「そのあとキスなんかされて!俺はお前がどういうつもりなのかききてぇの!どうなんだよ!どういうつもりなんだ!?」
葵は目を泳がせたまま、しばらく何も言わなかった。
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