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「今少しいいか。」
「あっ、はい。大丈夫です。」
立ち上がろうとすると、座ったままでいいと止められた。
「さっき経理部長宛ての来客を通さず大分待たせてたんだって?大事なお客様だからきちんとシステムに載せたのに連絡はないし案内もしないでロビーで待たされてたって苦情の内線が入ったぞ。」
あ‥山田部長の件だ‥。
「受けたのは僕です‥申し訳ありませんでした‥。」
言い訳をしたくなるが言えずに俯いてしまう。
「何かあったのか?ミスで待たせたわけじゃないんだろ?」
青森次長‥‥。そっと顔を上げてみると頭ごなしに怒らないでちゃんと話を聞いてくれようとする青森次長と目が合い、
でも確証もないことを青森次長に伝えていいのか分からなくて口をキュッと結んでしまう。
「あ、あの。青森次長。まだ疑いのあるお話なんですけど‥いいですか?」
竜さんが助け舟を出してくれる。
「勿論だ。言ってみろ。」
「ここ最近、システム上から来客予定が消されている気がするんです。それは意図的に‥という意味です。」
「誰かがわざと来客予定を消去していると?」
「そうです。システムに入れてるということはおそらく社内の人間だと思います。」
青森次長は言葉にはださず、一つ頷く。その表情からは何も読み取れなくて僕も竜さんも不安になる。
「分かった。俺も調べてみよう。来客予定は面倒だろうけどシステムに反映されてるものを当面は手書きでメモしておいたらどうだ。通常の業務に加えて忙しくなるだろうが取り次ぎ先が分からなくなるより良いかと思うぞ。」
「それ良いですね!すみません、すぐに気付かなくて。」
「はい。そうしましょう。」
青森次長の案にとりあえず来客者に迷惑がかかることは無さそうだと一安心する。
「問題は‥誰が何の目的でそんなことをしているかだな。」
そう呟いた青森次長と不安そうにしている竜さんが要に気付かれないように目配せをしていた。
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