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第12話にしおりをはさみました!
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第12話
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お城から抜け出れた「或る人」は市民に見つからないように、人けの少ない裏通りをひっそりと走り抜けていきました。そしてやっと中心街を抜け、郊外にでました。そこからは街道沿いにトコトコと歩いていきました。
その街道は1年前、王様が馬車で走り去った道でした。
「或る人」は王様に会いにいこうとしていたのです。
しかし、すでにお城に立てこもった時から3日が経ち、最初の日はなんとかなったものの、もう丸2日何も食べていません。「或る人」はポケットに金貨が数枚入っていることに気づき、街道の最初の宿屋に寄りました。
まず、食事を摂って馬を借りよう、それで王様の元に行き愛していると言おう、そしたらきっと王様は白馬に乗った王子様にメロメロになって、きっとプロポーズを受けてくれるだろう。うん、完璧だ、完璧な作戦だ。
「或る人」はそう考えました。そして宿で食事を摂り、馬を1頭借りたいと宿屋の主人に言いました。すると宿屋の主人は「或る人」の顔を見て言いました。
これは驚いた!みんな見てくれ!王様を狂わせ王様から国を盗んだあの新しい国王様がいるぞ!
と。その一言で宿にいた人々はあっという間に「或る人」を取り囲みました。
誰かが、
きっと俺たちを見捨てて外国に逃げる気だ!
と言うと、方々からそうだそうだという声があがりました。「或る人」が思わず
そんなんじゃない!俺は王様に会いたいだけだ!
頼むから退いてくれ!早く彼に会いたいんだ!
と叫びました。しかし人々は
こいつは王様を盾にしようとしている!
王様を殺しに行く気なんだ!
王様には指1本触れさせるものか!
と口々に言い、「或る人」を取り押さえました。そして「或る人」を空の木箱に入れてお城の前にいる市民の下へ持っていったのです。
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