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フィーリィーとして生まれてから五年間、一度だって殴られたことも罵声をあびせられたこともない。
「フィちゃん、私はベッドから動けない。だからこっちに来て」
カタカタと身体が震える。そんな僕の姿にかあ様は一瞬だけ悲しそうにした。
「愛してるわ。フィちゃん、あなたには守ってくれるお兄ちゃんが二人もいる。勇気を出して」
優しい声色。口角をあげて安心させようと笑顔を向けてくれている。
ルーにぃの手をはなして、足を踏み出す。一歩、足を前に出して止まった。
勇気なんて無理。怖い。だって目の前にいるのは僕を殺した親と同じ親。
目から涙が流れ落ちる。怖い無理近付いたら殴られる。
「フィちゃん、ちょっとそこで止まってて、大丈夫。先にルーちゃん、こっちに来て」
手招きされたルーにぃがスッとかあ様の元に歩み寄ると側まで来たルーにぃをギュッと抱き締めた。
「クーちゃんも来て」
隣にいたクーにぃもかあ様の側に行った。同じように抱き締め、涙をポタポタ零す僕に目線を向けた。
「私は子を殴らない。愛しい私の子供達を傷付けたりしない。ねぇ、ルーちゃん、クーちゃん」
ルーにぃとクーにぃが頷く。
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