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18歳以上ですか?
2にしおりをはさみました!
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2
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赤葦は二つある皿の一つを俺との間に置き隣に座った
「あのね、俺は付き纏われてるだけ。好きで一緒に居るわけじゃないの」
俺は自分で持ってきた肉とたまねぎを平らげた
「でも、嫌いでもないんでしょ」
「まぁ嫌いな奴と話すほどお人よしでもないな」
「田所さんはさ、優しいよね」
少し下を向き箸もつけずに肉を見ている
「は?何言ってんだよ。お前の目は節穴か?赤葦」
俺は赤葦が持ってきた肉を全部取り口に入れた
赤葦の持っている皿の上にはピーマンと玉ねぎだけになった
こちらを睨んでくる赤葦ににこりと笑ってやる
「前言撤回」
「よろしい。おにぎり貰うぞ」
今度は俺との間においてある皿からおにぎりを一つ取った
「どうぞ」
「サンキュ」
一口食べる。
中は梅干し、かも蜂蜜梅
お、アタリ
「田所さん、口元付いてる」
そういって赤葦は俺の口元から米粒をとり自分の口に持っていく
「だからそう言うのは好きな子にしろって」
「だからしてるんだけど」
仕返しとばかりに赤葦がにこりと意地悪く笑う
「あーもう。そういうのお腹いっぱいだっての」
今度は少し寂しそうに目を細めた
「赤葦、玉ねぎ」
俺は赤葦に向かって口をあける
「田所さんのそう言う所ずるい」
そういって皿の中で一番旨そうに焼けている玉ねぎを俺の口に入れた
「ん。んまい」
「それならよかった」
赤葦の食べ物を奪った俺はもうおなかいっぱいだ
「もういいの?」
「ん。肉無理に平らげたら苦しい」
「そっか」
赤葦は少し残念そうな声を出しならがもピーマンを口に運ぶ
「赤葦はもっと取りにいけよー。筋肉の修復には肉が一番だからな」
「おぉーいっ!あかーしぃ!」
丁度木兎さんが赤葦を呼ぶ声がする
「ほら、お前さんとこの主将さんが呼んでるぞ」
「はぁ、行ってくる」
赤葦はまだ玉ねぎが乗っている皿を片手に立ち上がった
「いってらっしゃい」
そんな赤葦の背に俺は手を振った
眺めれば平和だ
昨日の敵は今日の友って感じ
俺が前線にいた時はこんな事あったのだろうか
俺が知らないだけで、多分あったんだろう
中学時代、本当にもったいない時間を過したんだ
今この瞬間、正直どうやってあの輪の中に入ればいいのか分からなかった
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