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欠陥品にしおりをはさみました!
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欠陥品
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ーーーーーーーーーーー自宅ーーーーーーーーーー
昇兄と買い物に行った。人が多くてずっと昇兄にくっついていたら、昇兄が笑って『あんまくっついてると、見られるから手繋いで俺のポケットに入れとこうな!』って、言ってずっと手を繋いで居てくれたおかげで買い物も無事に終わった。
「ただいま~」
「ただいま」
昇兄と帰って『ただいまっ』て、言うの久しぶりだ
何か、こう、普通の高校生って感じで少し、ほんの少し嬉しかったり?…
「久しぶりだな~。こうやって、二人でただいまを言うのって」
「…そうかもね」
昇兄も似たような事考えてて少し嬉しかった?かな
「素っ気なさ過ぎるよ!もうちょっと何かないの?」
「……特に」
こう言う、些細な事が一緒だったりすると少し複雑だ。勿論双子としては嬉しい、でも好きな相手が男。しかも、双子の兄と言うおまけ付きだ。
今更、男だの兄だの言うつもりはないがつい悲しくなる。
「兄ちゃん、寂しいよ~!」
「それより、早く部屋に行こ。着替えたい」
ふと、昇兄の顔が悲しそうな泣きそうな目をしていたから少し辛くなった。
双子だからかこう言う感情の変化に敏感になる。
感情が流れ込んで来るような…そんな感じがする。
「それもそうだね。」
「宿題、……教えてよ」
今はこんなことしか言えないけど、いつかその顔の理由とか感情とか、俺の無くしたものを教えて欲しいな。
「仰せのままに愛しい弟」
「何?その言葉」
「俺は、大好きな竜の為なら何でもするってこと。」
「よくそんな恥ずかしいこと、恥ずかしげもなく言えるよね」
「これは本心だから、恥ずかしいなんて思ってはないよ」
「昇兄は、そう言うこと言えていいよね」
俺なんて昇兄は好きだけど、色んな感情やら何やらが砕け散って良くわからない。無くしたものを、昇兄が補ってかろうじてこうやって、まあまあ普通の生活をしている。
「ん?何か言った?竜」
「ううん、何でもない。早く着替えて勉強しよ」
こう考えたら色々昇兄には迷惑かけてるんだな~って、つくづくそう思う。皆が当たり前の事を俺は、昇兄に手を引いてもらい、力を借りながらじゃないと出来ない………
……俺は壊れた人形のような、欠陥品なのだろうか…
「そうだね。お風呂溜めるから、勉強終わったらお風呂入ろうね」
「うん」
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