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CHAPTER10にしおりをはさみました!
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CHAPTER10
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ルーイは悩んでいた。
ニコラスのことで。
最近のニコラスはいつも変な調子で絡んでくる。まるで自分を避けているが、そうとは気付かせないようにしようとしているように見える。それに、自分がニコラスを少しでと触ると「やめてくれ」とよく言うようになった。今まではそんなことはなかったのに、とても不自然だと思った。
それにマーシュリーとの電話で聞いたニコラスのこと。
『ニッキーはゲイなのよ』
この言葉がずっとルーイの頭の中を悩ませていた。まさか自分の友人が、とは思ったものの、最近のニコラスの様子がおかしすぎるため、本当にそうかもとルーイは思い始めた。
もしかしたら、ニコラスは自分に好意を持っているのかもしれない。だとしたら自分はどうすればいい?なんと返事をすればいい?どうやって過ごせばいい?そんな悩みをいくつもルーイは抱えた。
「ルーイくーん、聞いてんの?」
「へ?」
ルーイは姉の話をするすると聞き流してしまった。アンバーは怒りながら「もう一度言うから!」と言ってまた1から説明をし始めた。
「今日はお祭りがあるでしょ、ちょっと色々おつかい頼みたいのよ」
「おつかい?お祭りに?」
「そ、どうせアンタ友達と一緒に行くんでしょ?あの…イケメンな子…ニック?くんだっけ」
ルーイはアンバーがニコラスのことを言いたいのだろうと察した。前に1度ニコラスがルーイの家に来たことがあり、ニコラスはアンバーと偶然会った。その時ニコラスはアンバーによくからかわれたりしていた。
「ニコラスだろ」
「そうそうー!まだ誰とも約束してないんだったらそいつ誘って行きなよ。金あげるからさ」
「ん…」
ルーイは迷った。果たして今の2人の状態でお祭りに行くことができるのだろうか。
「何よ喧嘩したの?」
「いや…」
「じゃあ早いとこそいつに電話して行きなよ」
姉がグチグチと言う前におつかいだけを済まそうと思ったルーイは私服に着替え、姉に頼まれた物が記してある紙を受け取って家を出た。ルーイはお祭りで盛り上がっている最中の街の中をスーパーに向かって歩いた。
「…ケチャップ、パルメザンチーズ、電球、除光液…って最後のはアンバーのでしょ」
ブツブツを文句を言いながらスーパーの中に入り買うものを探して買った。お祭りに行く人のほうが多く、スーパーの中はガラガラと言っていいくらい空いていた。買うものをささっと買ってルーイはスーパーを出ようとした。スーパーの扉が開いた瞬間、見覚えのある少年が立っていた。
「あ…」
「に、ニコラス…君も来てたんだ」
「ああ…ちょっと見に来ようかなって思って…」
お互いに緊張しながら話す。ニコラスはルーイへの好意を抱いてしまった罪悪感、ルーイはニコラスへの疑いで2人はどんな顔をして話せばいいのか互いに分からなかった。
「これから帰るのか?」
「う、うん。アンバーにおつかい頼まれてて」
「ああ…あの人ね…」
ニコラスはアンバーにからかわれた時のことを思い出しては苦笑いをして見せた。ルーイはそれを見てぽかんとし、安心したのか笑った。
「ふふふ、あはは」
「な、なんだよ」
「ううん…やっぱニコラスは変わらないなぁって思って…」
「なんだよそれ」
ニコラスもそれを聞いて笑う。2人はいつもの調子が戻ったように笑う。ルーイもニコラスも、ついさっきまでお互いに距離を感じていたのに、すぐにその感じていた距離がなくなったような気がした。
「あのさ…ちょっと時間ある?」
「うん、あるけどどうして?」
「夏休みの計画、まだ全然遊んでない」
ルーイはすぐ思い出したのか「あっ」と声を出した。アンバーからもらったお金で遊べると思ったルーイが「遊ぼう!」と言うとニコラスも頷いた。
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