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広げたままの腕が迫ってくる。
捕まった。
「それは息吹の勝手な思い込みと願望だろう。俺は息吹がいいの。息吹は、嫌……?」
「嫌なわけない……」
だけど、一度口にした思いは気を晴らすどころか以前よりもより明確に存在を主張する。
男同士?
そんなのは些細な問題だ。
結婚?
それも関係ない。
でも、子どもだけはどうしようもない。
仁史は浮気なんてしないから、息吹といる限り子は望めない。
「結婚はともかくさ、子ども、できないよ?」
ああ、我ながら鬱陶しい。
今までとは逆だ。
息吹の子どもを産めないから身を引くと言って別れを告げてきた元彼たちに、息吹は縋った。
俺はお前がいいのに、俺はお前が好きだから、子どもはいらない。
だって無理だよ。
勘弁してよ、俺、生粋のゲイだよ。
今更女の人を好きになれるわけがない。
必死な言葉は届かなくて、元彼たちはみんな悲しそうに微笑んで、「どうか幸せに」と言う。
待って、なんで、俺の気持ちはどうなるの。
生まれてなんかいない子どもよりも、今、お前に傍にいてほしいのに。
「俺は息吹が好きなの。息吹がいたらそれでいい」
かつて自分が元彼たちに突きつけた言葉が今、返ってくる。
こんなにも自分は傲慢だったかと打ちのめされる前に、口は身勝手な言葉を吐き出す。
「俺も、仁史が、いい……」
「じゃあ、俺の恋人でいてくれる?」
甘い声に頷く。
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