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第14場 セブンモール出口にしおりをはさみました!
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第14場 セブンモール出口
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【第14場 セブンモール出口】
タッタッタッタッ。
(エレアは外を向いている
中からかおが走ってくる)
かお:「はぁはぁ、ご、ごめん。
エレア…はぁはぁ…おま、たせ…はぁはぁ。」
エレア:「待ってねーよ、ってだから走ってくんな…」
(エレア振り向く)
エレア:「お前、着替えたのか？」
かお:「うん。ごめんね。それで少し遅くなっちゃって、待たせちゃった。」
エレア:「待ってはいねーけど…。
その…なんで着替えたんだ？」
かお:「バイト終わりだと汗臭いといけないし、それにせっかくの花火大会だから、浴衣とまではいかないけど、甚平っぽい服着てみたくて。変、かな…？」
エレア:「いや！全然！へ、変じゃねーよ。
いいんじゃね？夏祭りっぼい。」
かお:「良かっぁ。甚平じゃちょっと男らし過ぎて僕に似合わないから、急いで作ったんだ。」
エレア:「自分で作ったのかよ！」
かお：「う、うん。やっぱりおかしい？」
エレア:「だから！変じゃねーって！
いいって褒めてるだろ、素直に嬉しい受け止めろよ。」
かお:「うん！ありがと。」
エレア:「んじゃ、ちょっとはえーけど、行くか。電車でも一駅だけど、時間あるし歩くか？」
かお:「そうだね、電車はきっと混んでるし、ゆっくり歩いて行くのもいいかも。」
エレア:「ちんたら歩いたら置いてくかんな！」
かお:「え？！わ、わかった。頑張る。」
エレア:「ばーか。嘘に決まってるだろ。」
(会場最寄りの駅に近づく)
エレア:「さすがに人、増えてきたな。」
かお:「河川敷までもう少しだもんね。」
エレア:「いっぱい出店出てんな！
なんかワクワクする！」
かお:「ほんとだね。なんか寄ってく？」
エレア:「そうだな。とりあえず腹ごしらえで、焼きそばでも食うか！
ちょっと行儀悪いけど、立ち食いだな。」
かお:「エレアが行儀って（笑）」
エレア:「なんだと？」
かお:「ごめんごめん。」
(焼きそばを食べ終わって、19時少し前)
エレア:「よーし！射的か金魚すくいやろーぜ。」
かお:「ええ、僕どっちも苦手だよ。」
エレア:「じゃあ、俺がお前の欲しいもん取ってやるから、言え。射的か？金魚か？」
かお:「そんなに簡単に取れないと思うけど…。んでも、じゃあ金魚がいいな。」
エレア:「おしっ！任せとけ！」
(エレア金魚すくいに夢中になる)
エレア:どうだー！¥300で5匹だぜ！
…って、かお？」
(かお、後ろの方の人混みに埋もれている)
ぐいっ。
(エレア、かおを引き寄せる)
エレア:「ったく、お前はなにやってんだよ。」
かお:「ご、ごめん。焼きそばのゴミ、ゴミ箱に入れようとして。そしたら前に進めなくなっちゃって。」
エレア:「ガキかよ。せっかくエレア様が勇姿を見せたのに。」
かお:「あ、金魚取れたの？」
エレア:「おー！5匹。全部は飼えねーから、好きなやつ１つ選べよ。」
かお:「僕が選んでいいの？」
エレア:「お前が欲しいっつったんだろ。」
かお:「じゃあ、この黒いの。」
エレア:「こいつ片ヒレねーぞ？」
かお:「うん、だから。
泳ぎ方ちょっと不器用で、不器用なとこあるエレアみたい。」
エレア:「あのなー。
ま、いっか。オヤジ、これだけ袋に入れてくれ。」
オヤジ:「あいよー。こいつはしぶといよ。見る目あるねー。」
かお：「しぶといって（笑）やっぱりエレアだね（笑）」
エレア:「それは否定しねー。」
ドーンッ！！！
ドンドーンッ！！！
エレア:「花火上がり始めたみてーだな。河川敷行くか。」
かお:「うん！」
エレア:「………、ほら。」
かお:「え？」
エレア:「俺の腕に掴まってろ。
こ、ここから人混み激しくなるから、ま、またお前迷子になったら、さ、探すの面倒だし。」
かお:「掴まっていいの？」
エレア:「ああ。さすがに男同士で手繋ぐの嫌だろ。」
かお「…い、い、」
エレア:「ほら。早くしろ。」
かお:「は、はい。お邪魔します。」
エレア:「ぶはっ（笑）なんだよ、そりゃ。
ほら行くぞ。」
(花火開始から2時間)
ドン、ヒューン、バーン。
エレア:「あー！今ので終わりだな。」
かお:「綺麗だったね。エレアと来れて良かった。」
エレア:「お、俺も、変な女と来るより、か、かおと来て面白かった。」
かお:「ほんと？よかったぁ。」
エレア:「じゃ、帰るか。
帰り人混みだから、また掴まってろよ。
さっき離しそうになったから、ヒヤヒヤしたわ。
…んでも、さすがに男同士で手繋ぐのは嫌だろ？」
かお:「…いや、じゃ、ない。」
エレア:「え？」
かお:「エレアとなら手繋ぐの嫌じゃない。
その。変なこと言うけど…その方が、う、嬉しい。」
エレア:「かお…。じゃ、ほら。」
かお:「う、うん。」
(2人は人混みを抜けるまで、手を繋ぎ、無言で歩き続けた)
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