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CAGE6:止まない愛情18にしおりをはさみました!
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CAGE6:止まない愛情18
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警察官が椅子に座り直すように注意をする。
暁斗くんは少し恥ずかしそうに笑うと倒した椅子を元に戻し、そこへと座り直した。
僕らも笠見さんに促され中へと入り、用意されていた椅子に腰掛ける。
僕らと向かい合った暁斗くんは照れ臭そうに頬を掻いた。
「えっと、久し振り…洋兄、直兄。」
ああ、と洋さんは短く返すがその表情は穏やかだった。
「お久し振りです、暁斗くん。」
「うん!二人とも元気そうで良かった。」
「暁斗くんこそ顔色も悪くなさそうで安心しました。」
まあね、と笑う暁斗くんは本当に嬉しそうでほんのりと頬を染めている。
良かった、と内心胸を撫で下ろした。
拒絶、なんて本当いらない心配でしたね。
「あのね、俺二人にずっと謝りたかったんだ…」
そう切り出され、僕と洋さんは目を合わせる。
向き直った表情は悲しげに下を向いていた。
「二人はきっとこうなる事を避けようとしてくれてたんだよね。 ……同じ思いをさせないため、同じ道を歩ませないため、きっとこの事だったんだよね。」
暁斗くんは頭がいい。
誤魔化しは無意味だと分かっているから、僕も洋さんも言葉を返せなかった。
「だから、ごめん……二人の思い無駄にしちゃった……」
ぎゅっと噛み締められた下唇。
僕は堪らず隔てているアクリル板に手をついた。
「謝らなきゃいけないのは僕の方です……僕が…僕が目を離したから……」
「違うよ!だってあの時ドアを開けてしまったのは俺だし、それにもっと……もっと他の選択肢もあったはずなのに……」
目に見えて落ち込んでしまった暁斗くんを撫でてあげられないことが、こんなにももどかしい。
やり場のない気持ちに握り締めた手を、そっと洋さんが包み込むように掴んでくれる。
「……誰のせいでもない。」
洋さんは変わらず穏やかに微笑んでいた。
「…俺達は幸せを望んだだけだ。少し遠回りをしただけ。それだけだ。」
「………っ………うんっ」
溜まった涙を溢さないように暁斗くんは堪えて頷いた。
「……俺が言っても何の説得力もないのかもしれない。それでも暁斗、お前は大切な存在だから聞いて欲しい。」
「……っん………」
「……人を殺めること、それは一生付いて回る枷になる。どんな形であれ、それは罪だからだ。」
「……っ……ぅん…」
「もしもう一度選択を迫られたなら、同じ道は選んでほしくない。」
「…………ん……っ」
「今度こそ俺達が守ってやる。だから約束出来るな?」
ぎゅっと閉じた目から大粒の涙を流した暁斗くんは何度も首を縦に振った。
「……っめんなさい、ごめっなさ、い!」
「…謝る必要はない。怒っている訳じゃない。」
掴まれていた手を更にぎゅっと握られる。
僕の番だと言う合図だろう。
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