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CAGE6:止まない愛情21にしおりをはさみました!
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CAGE6:止まない愛情21
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突然美柴くんが姿を消した。
数日前、目が覚めると何処にも彼の姿はなかった。
この家にある美柴くんの物と言えば僕が買った彼の着替えぐらいで、それ以外に痕跡を残すものは何もない。
連絡先はおろか、行きそうな場所さえ検討がつかない。
「……………直」
「……え?あ、はい」
洋さんの声に思案していた意識を引き戻す。
「冷めるぞ。」
と指したのはテーブルに並んだ食事だ。
「はい………。」
止めていた箸を動かして、朝食の焼き魚へと手を伸ばす。
チラッと窺った洋さんは、いつもと変わらぬ様子で食事をしていた。
洋さんは気にならないんでしょうか……。
「……今日は雪見に会うんだったな?」
切り出された話題に、そう言えばそうだったと思い出す。
「あ、はい。」
「楽しんでこいよ。良い気晴らしだ。」
心配、してくれてるんだろうな…きっと。
「……はい。楽しんできます。」
「…ん。今日の夕食は俺が作っておく。仕事は休みだしな。」
「……え?え!?」
とんでもない発言に思わず前のめりになってしまった。
「……何だ?何か文句あるのか?」
「いえ、その………」
料理?あの卵さえ割れない洋さんが……料理……?
「アンタほど手の込んだ物は作れないがな。」
「いえ、そんな……。あの大丈夫ですか?その卵とか……」
「………卵使わなきゃいいだろ。」
そう言って目を逸らしてしまう。
もしかして…拗ねた?
「ふ、ふふっ」
「……何だ?」
「いいえ、ありがとうございます。それじゃあお言葉に甘えて、楽しみにしていますね。」
ああ、と返してくれた洋さん。
きっと僕を元気付けようとしてくれたんだろう。
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