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18歳以上ですか?
優しいマスターにしおりをはさみました!
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優しいマスター
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マスターの声が聞こえる。
身体を揺すられて、ぼんやりとした意識が段々と覚醒し始める。
「カイト、お前どうしたんだ?」
Yシャツ姿のマスターが、俺を覗き込んでいた。
「ぇ……あれ…?」
時計を見ると、既に19時をまわっている。
俺は……何時間寝ていたのだろう。
「……お前、最近変じゃないか?」
マスターに言われて、首を傾げる。
「そんなこと……無いですよ」
仰向けのまま彼を見上げて微笑む。
マスターは堅い表情のままだった。
「だ、大丈夫ですよ」
念を押す様にもう一度言うと、マスターは持っていた書類で俺の頭をはたいた。
「大丈夫じゃねぇだろ。あからさまに具合悪そうにして……。大体お前、俺が出張行った後からおかしかったじゃねぇか」
「お、おかしくなんてないっ!…です」
思わず大きな声で反論してしまい、ふいっと顔を背ける。
そうだよ!
マスターのパソコンにあった画像とか、マスターが女の子好きとか、全部マスターがいけないんだよ。
どうせ、俺になんか見向きもしてくれないクセに。
「……お前、何かあったのか?」
泣きそうになった俺は、毛布を顔まで被った。
「あ、おい、こっち向けって」
身体を横に揺すって、否定を示す。
「……まさかとは思うが、お前…」
マスターはそれだけ呟くと、あっさりと部屋を出て行ってしまった。
「……」
呆然としている俺に、玄関が開閉する音が聞こえてきた。
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