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「ふぁ……」
眠い。あの名無し男とヤってからどうも良く眠れなくなったオレは、今日も夕暮れの街を歩きながら欠伸をする。
(なんなんだろ、この感じ…)
ゆっくり眠りたいあまりに誰かとセックスすれば眠れるだろうと考え、毎晩誰かを捕まえてはベッドを共にした。
けどオレの願いはまだ叶わずにいる。
そしてその理由は…何となく予感めいていた。
(あのバーに行ったら…また会えるかな?いや、駄目だ。あの人の事は忘れなきゃ…)
あの夜。
交わりを終えた男がシャワーを浴びてる隙にオレは部屋から抜け出した。
また会おうと思えば連絡先を聞くことはできたかもしれない。
でもオレはそれを望まなかった。
(あの人は人を幸せにしないタイプだ。ハマれば身を滅ぼす)
身勝手に快楽を貪りそれを押し付け、オレもまた、それを悦んだ。
だからあの男は俺にとってマイナスにしかならないだろう。
「……あ、日野っち?久しぶりー。ねぇ、今夜空いてたら久々に会わない」
店に着く少し前。
忌々しく付きまとう記憶を拭い去るべく遊び相手の1人に連絡をとったそのケータイは、オレの手の中で躊躇いを主張し温まっていた。
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